令和7年第4回富士川町議会定例会(12月定例会)
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公開日 2025年12月05日
更新日 2025年12月05日
本日ここに、令和7年12月 富士川町議会定例会を招集いたしましたところ、議員各位におかれましては、公私ともにご多忙の中、全員のご出席を賜り、誠にありがとうございます。
また、日頃から町政推進のため、格段のご理解とご協力を賜っておりますことに、厚く御礼申し上げます。
さて、この任期である4年間を振り返りますと、徹底した行財政の健全化を実行しつつ、一方で町の活性化と町民の暮らしを守るために、議会と共に切磋琢磨しながらチャレンジを重ねてきた4年間であったと思います。
その成果として特筆すべきは財政の健全化と新しい財源の確保を成し得たことです。就任当初、我々を取り巻く環境は、決して楽観できるものではありませんでした。令和4年度の財政シミュレーションにおいて、令和6年度の将来負担比率は97.8%という予測値であり、これは全国ワースト50位以内に入るような数値でした。この予測を△43.4%減少した、54.4%にとどめたこと、更には、新しい財源の柱として、ふるさと納税の取り組み強化を行い、ふるさと納税及び町税の歳入全体に対する割合は、21.8%という数字を達成し、財源を確保したところです。これにより、保育料、学校給食費の無償化など、町民福祉の向上につなげることができました。
このように私たちは、ただ立ち尽くして、暗い予測が的中するのを待っていたわけではありません。私たちは自らの手で、悲観した予測データを、希望ある未来へと変えてきたのです。数多くの議論を重ね、私たちがこれまで創り上げたこの実績を、未来へ向かう加速力に変えて行きましょう!
はじめに、長野県松川村との「災害時等の相互応援に関する協定」の締結についてご報告いたします。
松川村は、長野県の北西部、北安曇郡の南端に位置し、北アルプス連峰の雄大な山々を望み、りんごや米をはじめとする農産物の生産が盛んな自然豊かな村であり、人口は約9,700人を有しています。近年、全国各地で大雨や地震などの自然災害が頻発し、その被害も激甚化、広域化する傾向にあります。こうした状況を踏まえ、本町では災害対応力の強化を図るため、11月26日、長野県松川村と「災害時等の相互応援に関する協定」を締結いたしました。
松川村は、本町から一定の距離を有する隣県に位置することから、同時被災のリスクが低く、災害時における相互応援体制の構築に適したパートナーであると判断したものです。
この協定により、大規模災害発生時には、物資の提供や人的支援など、両自治体が相互に協力し合う体制が整備されました。
今後は、この協定締結を契機として、防災面での連携強化はもとより、政策面での情報交換や観光振興における相互協力など、幅広い分野での交流を深めてまいります。両自治体の特色を活かした連携により、町民の皆様の安全・安心の確保と地域の活性化に努めてまいります。
次に、企業版ふるさと納税の寄附実績についてであります。
富士川町の令和6年度における企業版ふるさと納税の寄附総額は、1億3,910万円に達しており、都道府県を含む全国1,765の自治体の中で、第81位という結果となりました。この結果は、ひとえに富士川町が大切にしてまいりました人と人とのつながりの賜物であり、多くの企業の皆様から寄せられた温かいご支援の結果でございます。関係企業の皆様には、本町の地方創生の取り組みにご賛同いただき、心より感謝申し上げます。
今後も、豊かな自然環境や歴史文化など、本町が持つ資源や魅力を最大限に活かしながら、企業の皆様からのご支援をいただける施策を積極的に展開するとともに、町民の皆様と共に持続可能で活力ある町づくりを着実に進めてまいります。
次に、オートバイ神社開所式についてであります。
このたび、「道の駅富士川」において、ツーリングライダーの拠点となる「オートバイ神社」が開設されました。この神社は、日本二輪車文化協会が認定するもので、山梨県内では初めての取り組みとなります。11月9日、甲州富士川まつりに先立ち、午前8時から開所式及び祈願祭を執り行い、ほこらなどをお披露目いたしました。
道の駅富士川では、これまでもライダー同士の交流イベントや安全運転啓発の催しを実施しており、今回の整備は、指定管理者である株式会社富士川が、本町の提案に賛同し、実現に至ったものです。全国的にオートバイ神社が増加する中、本町における開設は、交通安全の促進と観光活性化を図る重要な取り組みであります。県内外から多くのライダーが集まる道の駅富士川が、新たな目的地として認知され、交流人口の増加と地域経済の振興につながることを期待しております。今後も二輪車文化を活かした地域の魅力創出を支援し、道の駅富士川がさらに発展するよう連携を図ってまいります。
次に、富士川町魅力発信アンバサダーで、 サッカー女子 なでしこリーグのFCふじざくら山梨に所属する本町出身の保坂のどか選手が、今季、通算200試合出場という素晴らしい快挙を達成されました。この功績により、なでしこリーグから特別表彰を受賞されたところであります。
保坂選手のこれまでの活躍は、私たち富士川町民に大きな勇気と感動を与えてくださいました。心から感謝申し上げますとともに、今後も益々のご活躍を期待しております。今後も富士川町魅力発信アンバサダーとして、本町の魅力を広く全国に発信していただけることを願っています。改めまして、保坂選手、この度の受賞、誠におめでとうございます。
次に、本町の魅力発信アンバサダーで、サッカーJ2ヴァンフォーレ甲府に所属する本町出身の 柏好文選手の現役引退についてであります。
柏選手は、高い技術と運動量を武器に、長年にわたりヴァンフォーレ甲府やサンフレッチェ広島で活躍し、J1広島では優勝に貢献され、Jリーグ通算408試合に出場し37ゴールという輝かしい成績を挙げられました。本年1月に視力障害を伴う病により、試合出場から遠ざかっていましたが、懸命な療養とリハビリに取り組まれ、先月23日のホーム最終戦で、見事にピッチに復帰されました。柏選手のひたむきなプレーと困難に立ち向かう姿勢は、町民の皆様にとって大きな励みとなりました。復帰後間もなくの引退は残念でありますが、長年にわたるご活躍と本町への貢献に心から感謝申し上げます。
今後も、柏選手との絆を大切にしながら、本町の魅力を広く発信していただけることを期待しております。
次に、第78回山梨県体育祭りについてであります。
この度、第78回山梨県体育祭り町村の部におきまして、本町が総合優勝を果たし、14連覇という偉業を達成することができました。このように長期間にわたり優勝を続けられているのは、ひとえに町民の皆様のスポーツに取り組む姿勢や日頃の練習の成果の賜物と深く感謝しております。
今後もこの輝かしい記録をさらに伸ばしていけるよう、皆様の一層のご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。
それでは、今定例会に提出いたしました案件のうち、主なものにつきまして、その概要を御説明申し上げますとともに、主要な事業への取り組み状況を申し上げます。
はじめに、明年4月4日の「第52回信玄公祭り 甲州軍団出陣」に、富士川町が参加する運びとなりました。
この歴史ある祭りへの参加は、本町にとりまして大変名誉なことであり、地域の誇りを県内外に発信する絶好の機会となります。武田二十四将の一員として、勇壮な甲冑に身を包み、甲府の街を練り歩いていただける町民の皆様を、現在、町ホームページおよび広報誌を通じて広く募集しているところであります。この出陣は、武田信玄公の歴史と文化を次世代に継承するとともに、富士川町の存在感を高める重要な取り組みとなるものと考えております。
こうしたことから、今定例会に参加準備に係る所要の経費を計上しております。
次に、民間の力を活用した宅地分譲を目的とした町有地売払いに係る入札についてであります。
旧第3保育所跡地につきましては、民間の力を活用した宅地分譲を行うため、事業者選定に向けた入札を実施することといたしました。本事業は、これまで町が公共事業として担ってきた宅地分譲事業に代わり、分譲計画から造成・販売までの全工程を民間事業者に委ねるものであります。これにより、柔軟で、かつ効果的な分譲事業の展開が可能となります。この新たな手法は、地方が直面する「人口減少と地域活性化」という重要課題への対策として、公共用地の革新的な活用方法を模索する取り組みでもあります。
こうしたことから、今定例会に不動産売買に係る所要の経費を計上しております。
次に、峡南地区物流協議会等におけるドローンを活用した災害物資輸送に関する調査等事業についてであります。
昨年1月1日に発生した能登半島地震では、道路の寸断により車両による物資輸送が困難となる中、ドローンを活用した孤立集落への支援物資輸送が極めて有効であることが実証されました。こうした中、大規模災害時において、孤立すると想定される集落を多く抱える峡南地域では、災害時における緊急支援物資 輸送体制の構築が求められております。この度、山梨県と峡南地域では、緊密な連携のもと、ドローンを活用した緊急支援物資 輸送体制の確立に向けて、本格的な取り組みを開始することといたしました。
こうしたことから、今定例会に事業に係る所要の経費を計上しております。
次に、ガバメントクラウドファンディングについてであります。
本町では、令和4年12月に、一般社団法人クリーンファイターズ山梨と、まちづくりに関することやスポーツ振興に関すること等の包括連携協定を締結し、地域課題の解決や活性化を図ってまいりました。こうした中、今回のガバメントクラウドファンディングでは、「富士川町からスポーツの力を届けようプロジェクト」と題して、ラグビーのトップイーストリーグ Aグループに所属するクリーンファイターズ山梨のマスコット「クリファくん」の着ぐるみを作製することといたします。この「クリファくん」と町の公式キャラクター「ゆずにゃん」がコラボレーションすることで、スポーツ振興を通じた富士川町の魅力発信と観光PRの強化を目指してまいります。
こうしたことから、今定例会に本事業に係る所要の経費を計上しております。
次に、富士川町乳児等通園支援事業の設備及び運営に関する基準を定める条例の制定についてであります。
本条例は、明年4月から開始される「こども誰でも通園制度」の導入に伴い、通園支援事業に係る基準等を定めるものです。この制度は、全ての子育て世帯に対して、多様な働き方やライフスタイルを問わない形での支援を強化することを目的としております。具体的には、満3歳未満の乳幼児が、保護者の就労要件にかかわらず、月一定時間、保育園等を利用できる新たな通園制度に対応するものであります。乳幼児をはじめとする全てのこどもの健やかな育成を応援し、こどもの良質な成育環境を確保することを目的に、今定例会において条例制定を提案するものであります。
次に、子育て支援策の一つとして、子育て世帯を対象に働く環境の拡充を図る就労支援策「ママサポおしごと」についてであります。
本町では、これまで「子育て支援ナンバー1のまち」を目指して、保育料・学校給食費の無償化や産後ママ応援事業など、様々な子育て支援策を展開してまいりました。この度、新たな取り組みとして、子育て世帯における就労支援の充実を図るため、すきま時間を活用した短時間労働を支援する「ママサポおしごと」事業の実施に向けた準備を進めております。本事業では、子育て中の方々が、お子様の送迎の合間や家事の空き時間など、ライフスタイルに合わせて無理なく働けるよう、柔軟な就労機会の提供を目指しています。
既に商工会をはじめとする関係団体や、就労支援を専門とする民間企業との連携体制の構築を開始しており、効果的な求人情報の収集・提供方法や、求職者と事業者双方のニーズに応じたマッチングシステムの構築について、具体的な協議を重ねているところです。
「ママサポおしごと」支援策を通じて、仕事と家庭の両立を可能にし、子育て世帯の皆様が経済的にも精神的にも豊かで充実した暮らしを実現できるよう、全力で取り組んでまいります。
次に、富士川中学校の和太鼓整備のためのガバメントクラウドファンディングについてであります。
この取り組みは、永年にわたり鰍沢中学校の生徒たちが大切に伝承してきた「鰍沢ばやし」を、統合後の富士川中学校においても継続し、富士川町の誇るべき伝統文化を次世代へ確実につなげていくことを目的としております。現在、演奏に必要な和太鼓等が不足している状況にあることから、その購入費用をガバメントクラウドファンディングにより広く寄付を募集させていただいているところです。
9月20日から募集を開始し、これまで町内外の多くの方々から温かいご支援をいただいており、心より感謝申し上げます。しかしながら、募集期間の最終段階に差し掛かっている現在においても、目標額にはまだ届いていない状況となっております。 募集期限は今月18日までとなっており、残すところあと2週間です。生徒たちが伝統文化の担い手として誇りを持って活動できるよう、また、地域の宝である「鰍沢ばやし」を未来へ継承していくためにも、皆様の温かいご支援をよろしくお願い申し上げます。一人でも多くの方々のご協力により、富士川中学校生徒の充実した文化活動の実現につながることを切に願っております。
次に、富士川中学校の新校舎建設工事の進捗状況についてであります。
去る10月23日に、町議会、区長会、学校関係者の皆様方のご列席をいただき、新校舎建設工事の安全祈願祭と起工式を執り行いました。これにより、建築主体工事、機械設備工事、電気設備工事のそれぞれが本格的に始動したところです。現在は、新校舎を建設するグラウンドの北側エリアを仮囲いで覆い、生徒の安全確保と近隣住民の方々への騒音対策に十分配慮しながら、校舎建設の基礎となる地盤改良工事を進めております。順調に工事が進めば、今年度中に基礎躯体工事を完了する予定となっています。今後も、生徒の皆さんや地域住民の皆様が安心して日常生活を送れるよう、安全を最優先に考えながら、着実に工事を進めてまいります。
次に、帝京大学との連携協定締結についてであります。
去る10月10日に富士川町と帝京大学、および町教育委員会と帝京大学文化財研究所との間で、文化財の研究や保護に関する連携協定を締結いたしました。富士川町および富士川町教育委員会では、今日に至るまで、文化財の保存・活用の推進に取り組んでまいりました。しかしながら現在は、文化財の老朽化が進む一方で、十分な保存・活用ができていない状況にあります。また、近年は災害の増加に伴い、日本各地で被災する文化財が増えているのが現状です。こうした中、文化財の専門職員が不在の本町では、老朽化した文化財の保存修理や活用、さらには被災した文化財の救出活動への対応が喫緊の課題となっております。
このような状況を踏まえ、帝京大学および帝京大学文化財研究所のご協力をいただき、専門的知見に基づいた町内文化財の学術的調査・研究や地域史研究を推進することといたしました。これにより、文化財の保護に向けた取り組みを強化するとともに、本町の歴史・文化遺産の継承と発信を積極的に行っていくため、この度の連携協定締結に至ったものです。
以上、今定例会に提出いたしました主なる案件と主要な取り組みについて述べさせていただきました。
なお、今定例会に提出いたしました案件は、条例制定案件1件、条例改正案件3件、補正予算案件7件、組合規約変更案件2件、合わせて13件の議案を提出しております。提案理由は、議案ごとに申し上げさせていただくこととしておりますが、よろしく御審議の上、御議決あらんことをお願い申し上げ、あいさつといたします。
