富士川町

令和7年第3回富士川町議会定例会(9月定例会)

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公開日 2025年09月05日

更新日 2025年09月05日

 本日ここに、令和7年9月 富士川町議会定例会を招集いたしましたところ、議員各位におかれましては、公私ともにご多忙の中、全員のご出席を賜り、誠にありがとうございます。また、日頃から町政推進のため、格別のご理解とご協力を賜っておりますことに、厚く御礼申し上げます。

 はじめに、先月 九州地方及び石川県において記録的大雨による激甚災害が発生いたしました。

 熊本県をはじめとする九州地方では、線状降水帯の発生により観測史上最多の降雨量を記録し、土砂崩れや河川の決壊、車両流出により尊い命が失われ、多くの方が行方不明となられました。また、石川県能登地方におきましても、能登半島地震による地盤沈下の影響も重なり、住宅の浸水や道路の崩落など深刻な被害が発生いたしました。 亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災地の一日も早い復旧・復興を心よりお祈り申し上げます。

 次に、世界で初の試みとして実施された「アニメクラシックス アニソン花火 富士川町公演」についてであります。

 去る7月5日に富士川いきいきスポーツ公園特設会場で開催された本イベントは、アニメソングと花火のコラボレーションというこれまでにない新たな試みであり、当日は有料観覧者並びに町民招待者、合わせて約3千人もの方々にご来場いただきました。懐かしいクラシックアニメの映像と、約一万発の花火の競演に観客は魅了され、特に家族連れで来場された子どもたちの笑顔や歓声は、会場全体を温かく包み込み、心に残る夏の夜の思い出となったことと思います。今回の花火大会は、町の一般財源からの支出はゼロである 「ふじかわゼロプロジェクト」の一環としての取り組みです。本公演の開催にあたりまして、多大なご協力とご理解をいただきました関係者の皆さま、そして町民の皆さまに改めて深く感謝申し上げます。今後もアイデアと情熱を最大限駆使して、町民の皆さまとともに町の魅力を発信し、地域に賑わいと活力を創出していきたいと考えています。

 

 それでは、今定例会に提出いたしました案件のうち、主なものにつきまして、その概要を御説明申し上げますとともに、主要な事業への取り組み状況を申し上げます。

 

 はじめに、令和6年度の決算に伴う財政状況についてであります。

 令和4年度に予測した財政シミュレーションでは、令和6年度の将来負担比率は、97.8%となる予測でした。
 こうした中、事業費を抑制したことによる支出額の大幅な減少と、消耗品ひとつにおいても市場原理を取り入れるなどの徹底した歳出の抑制に努め、財源については、国・県の有利な補助金などを積極的に活用するとともに、ふるさと納税などによる特定財源の確保に最大限注力しました。
 このような取組みを進めた結果、借入金の減少や、スポーツ振興基金などの基金への積立てが進みました。このことから、令和6年度決算においては、地方債の償還が進んだことと、事業費の抑制に伴う、借入額の減少により、地方債残高は、予測値よりも減少いたしました。
 また、地方交付税も増加し、標準財政規模は予測値よりも上回る結果となりました。こうしたことから、令和6年度の決算における将来負担比率は、当初の予測97.8%から大きく改善され54.4%とすることができました。
 しかしながら、これらの取組みは、財政健全化に向けての抜本的な解決とはならず、努力と工夫による抑制策であり、いわゆる対処療法に過ぎません。財政シミュレーションでもお示ししたとおり、令和11年度に将来負担比率がピークを迎えるという予測は、いまだ変わっていません。
 今後も、予測されていた比率よりも良い方向に向かえるよう、歳入確保を強力に進め歳出削減に努めながら、あらゆる施策と工夫を駆使して、財政の健全化を図っていく所存であります。

 

 次に、グリーンスローモビリティの実証実験についてであります。

 グリーンスローモビリティとは、時速20km未満で公道を走行できるコンパクトな電動車であり、地域内の身近な移動手段として活用できるものです。
「環境に優しい」、「小回りが利く」、「乗降がしやすい」という特徴があることから、多方面での活躍が期待されるモビリティであります。
 現在、地方では、自家用車の普及や人口の減少により公共交通利用者の減少が進み、結果として交通事業者による路線の廃止や撤退が進んでおります。
 一方、こうした交通ネットワークの縮小により影響を受ける地域においては、買い物や病院などに行くことが困難となる交通弱者の増加が懸念されており、今後のまちづくりにおいては、交通弱者への対策や地域の賑わいづくりのための交通手段の確保が重要な課題となります。
 町では、今後さらに公共交通の重要性が高まることを踏まえ、グリーンスローモビリティの14日間の実証実験を実施し、新たなモビリティ活用の可能性について検証を行ってまいりたいと考えております。こうしたことから、今定例会に実証実験に係る所要の経費を計上しております。

 

 次に、物価高騰対応重点支援 地方創生臨時交付金事業 についてであります。

 本町では、これまで、エネルギー・食料品価格等の物価高騰の影響に鑑みた国の交付金事業として、低所得世帯への給付事業をはじめ、運送業や医療機関支援事業、生活支援事業として「ふじかわスマイル商品券事業」、「第2子・第3子の学校給食費減免事業」を実施してまいりました。こうした中、昨年度に本町に配分された交付金が繰り越され、本年度の交付金事業に活用できることとなりました。 こうしたことから、この交付金を物価高騰に鑑み、児童生徒の保護者の経済的負担を軽減するため、本年4月から実施している学校給食費無償化事業の財源として活用することとし、今定例会に事業に係る所要の経費を計上しております。

 

 次に、増穂小学校トイレ他給排水管改修工事についてであります。

 増穂小学校の建物は、昭和48年の建築から52年が経過し、これまでに耐震補強工事、空調設備整備、外壁塗装改修工事等を実施してまいりました。令和7年度、8年度におきまして、老朽化した校舎給排水管およびトイレ設備の全面改修を行うため、今年度当初予算に継続費を計上したところでありますが、近年の資材価格や人件費の急激な高騰等の影響により、当初予定した額では工事費用が不足する状況となりました。こうしたことから、今後の物価上昇等を勘案し設計単価の見直しを行い、今定例会に当該工事費の不足分の経費を計上しております。

 

 次に、LED照明整備についてであります。

 蛍光灯の製造及び輸出入が令和9年末までに廃止されることを受け、本町では、公共施設のLED照明化について、施設ごとに本年度から令和12年度までの6年間、計画的に改修工事を進めることとしております。改修工事実施の優先順位につきましては、まず児童施設や社会教育施設、その後、社会体育施設や学校施設、観光施設、道路や公園としたところであります。 こうした中、優先順位上位から設計を行い、この設計が完成し、所要額が明らかになった青柳そらっこ保育園、鰍沢さくらっこ保育園、歴史文化館塩の華、町民会館の4つの施設について、今定例会に整備に係る所要の経費を計上しております。

 

 次に、はくばく文化ホール蓄熱槽防水改修工事についてであります。

 はくばく文化ホールの舞台と客席、ロビーの一部は空調設備が水冷式であり、蓄熱するための水槽となる蓄熱槽の防水シートが経年劣化により破損いたしました。この防水シートの破損により、蓄熱槽への貯水ができず、空調設備の運転が不可能となっており、現在は、仮設の空調設備により対応しております。文化ホールにおいては、空調設備は安全で快適な施設利用に不可欠であることから、早急な修繕工事が必要であります。こうしたことから、今定例会に蓄熱槽改修に係る所要の経費を計上しております。

 

 次に、高齢者補聴器購入費助成事業についてであります。

 町では、難聴による認知機能の低下を予防するため、補聴器を早期に使用することで、認知症やフレイル予防を促進する事業を実施してまいります。この事業は65歳以上の介護保険料の軽減を受け、医師が必要と認めた方に対し、補聴器を購入する際、県と町で購入費用の2分の1を助成するものです。所得の状況に応じて上限額を定め費用の一部を助成いたします。 事業実施にあたり、要綱を制定し、今後も介護予防事業の強化に取り組み、町民のニーズに応えられるよう、安心して日常生活が送れる環境づくりを推進してまいりたいと考えております。こうしたことから、今定例会に助成事業に係る所要の経費を計上しております。

 

 次に、公の施設の指定管理者の指定についてであります。

 株式会社ブルーアースジャパンは、平成28年4月から指定管理者として、これまで、地域住民の健康づくりや、基礎体力の増進を図ることを目的に、安定したサービス提供と地域貢献に努めてまいりました。こうした中、明年3月に指定期間満了を迎えるにあたり、株式会社ブルーアースジャパンから、引き続き指定を受託したいとの申し出があったところであります。今後も、利用者のニーズに合わせたサービスの提供と安定した経営が見込まれることから、「富士川町公の施設における 指定管理者の指定の手続等に関する条例」の規定に基づき、株式会社ブルーアースジャパンを公募によらない指定管理者として、令和8年4月1日から令和13年3月31日までの5年間、再指定することとし、今定例会に公の施設の指定管理者の指定案件を上程したところであります。

 

 次に、富士川中学校新校舎建設工事の契約についてであります。

 富士川中学校の新校舎建設工事につきましては、まず、校舎建設のための工事用車両の進入路整備と旧増穂中学校のプール解体工事を9月末日までの工期で順調に進めており、本日時点で概ね工事が完了いたしました。また、校舎本体の建設につきましては、8月25日に一般競争入札を執行し、建築主体工事、機械設備工事、電気設備工事それぞれ仮契約を締結したところであります。工事につきましては、10月1日から着手し、令和9年度の夏休みには、現在の校舎から新校舎への移転ができるよう進めてまいりたいと考えております。こうしたことから、今定例会に校舎建設工事請負の契約案件を上程しております。

 

 次に、天神ゆずっこ保育園 園舎大規模改修工事の進捗状況についてであります。

 本工事につきましては、本年5月から改修作業に着手し、年内の完成に向け、順調に工事を進めております。既に、プール施設の塗装と日除けテント設置は完了しており、一部検査引き渡しを終え、施設利用を開始しております。 現在は、保育室の空調設備や照明設備、床の張り替え、厨房機器等の改修を行っており、完成に向け、引き続き工事を進めてまいります。この改修により、子どもたちが健やかに成長できる良好な保育環境が確保できるものと考えております。

 

 次に、山梨県ドローンビジネス協議会との包括連携協定についてであります。

 町と山梨県ドローンビジネス協議会は、7月4日に山梨県におけるドローン技術の活用促進及びドローン関連産業の振興を図ることを目的として、包括連携協定を結びました。 協定では、町が有する優れた自然環境を活かし、富士川ドローンフィールドの活用、自治体所有ドローンの活用、ドローン操縦者の育成と技術向上、資格取得支援など連携して取り組むこととなっております。 ドローンが「未来の社会インフラ」として定着するための土台を協議会と共に築いてまいりたいと考えております。
 また、7月17日には、はくばく文化ホールにおいて、ドローンの魅力と可能性を実際に体感していただくため、県下初の、音と光のドローンショーを開催したところであります。今後も、ドローン技術を通じて、地域課題の解決や未来人材の育成、そして新たな地域産業の創出に向け、協議会と共に取り組んでまいります。

 

 以上、今定例会に提出いたしました主な案件と主要な取り組みについて述べさせていただきました。

 今定例会には、報告案件3件、条例改正案件3件、補正予算案件5件、指定案件1件、契約締結案件4件、規約変更案件1件、決算認定案件4件、合わせて21件の議案を提出しております。提案理由につきましては、議案ごとに申し上げることとしておりますが、何卒ご審議の上、ご議決賜りますようお願い申し上げ、あいさつといたします。

 

お問い合わせ

政策秘書課 広聴広報担当
郵便番号:400-0592
住所:山梨県南巨摩郡富士川町天神中條1134
TEL:0556-22-7216
FAX:0556-22-3177
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