令和5年第3回富士川町議会定例会(9月定例会)
20-94
公開日 2023年10月03日
更新日 2023年10月03日
令和5年第3回富士川町議会定例会(9月定例会)
本日ここに、令和5年9月富士川町議会定例会を招集いたしましたところ、議員各位におかれましては、公私とも大変ご多忙の中を、御出席を賜り、誠にありがとうございます。
また、日ごろから町政推進のため、格段の御理解と御尽力を賜っておりますことに、厚く御礼を申し上げます。
まず、物価高騰対策についてです。
本年7月の消費者物価指数は2020年の平均を100として生鮮食料品を除いた指数が105.4となり、前年同月比で3.1%も上昇しています。このように上昇率が3%を上回るのは11カ月連続となっています。
またレギュラーガソリンの全国平均は1リットルあたり186円50銭となり、最高値を更新したとの事です。このように近頃の物価高騰は、私たちの日々の生活に密接に関連するものであり、食費や交通費など生活全般にわたり徐々に影響が出てきています。
本町では、この問題に対処すべく、ふじかわスマイル応援券第2弾を地域の商店と連携し、展開しています。
物価の変動に対する不安を少しでも和らげ、皆様の生活の安定を図るために、少ない財源ながら、町民の皆様に広く平等に行き渡るよう今後も取り組んで参ります。
次に、猛暑対策としてのクールシェアスポットの取組みについてです。
異常気象と言われた近年の猛暑は、いまや日常的になって来ていると言っても過言ではありません。
「災害級の暑さ」という言葉が聴かれるようになり、猛暑は台風や地震と同じく、災害であるという認識が必要です。
また、コロナ禍により希薄となった地域コミュニティの醸成と、エネルギー価格高騰による省エネ対策の視点からも、公共の施設に集い「涼み」を共有することが効果的だと考えました。
こうしたことから、町では、本庁舎をはじめ4カ所にクールシェアスポットを設置し、暑さに対しての町民の皆様の一時避難場所としての運用をこの夏から開始しているところであります。
次に、町財政の今後の見通しについてです。
町の方向性を議論する際に欠かせないのが将来予測です。
これまで、町の将来を予測する財政シミュレーションは、令和8年までの数字しか公表されていませんでした。
本年度当初に議会の全員協議会で示し、また今般、町の広報で町民の皆様に公表しました、令和13年までを予測した財政シミュレーションは、今後議論される町民体育館建設など、大型事業の在り方を考えるための一つの指標として算出したものであります。
その一端を申し上げますと、今回公表したシミュレーションでは令和11年の将来負担比率は一時的に166.8%まで増加するというものですが、国が警鐘を鳴らす350%というボーダーラインは超えないものの、令和3年度の全国ベースに置き換えると全国ワースト20に入る数字となっております。
このような数字を基にした財政の議論無くして大型事業の遂行はありえません。しかし、その一方で、必要な事業であるならば町民のニーズに応えて行く町政運営も不可避であると考えております。
重要なのは、透明性を持ったデータの開示を積極的に行いながら、事業の可否を町民全体で議論して行く事だと考えております。
また、このシミュレーションで試算した令和4年度決算に比べ、今定例会でご審議頂く決算の数字は健全化しているという部分も注目して頂きたいと考えております。
これは、企業版ふるさと納税の好調や、総事業費13億円のリニア側道事業を、JRの補償金などの獲得により、町負担を1億7500万円まで圧縮できたことなどが要因だと考えております。
財政シミュレーションの策定時に予測した数字に比べ財政が健全化された結果となっております。
これは職員が一丸となり、予測されていた未来を少しでも良い方向に変えて行こうという努力の賜物であり、今後も愚直に続けて行く所存であります。
それでは、今定例会に提出いたしました案件のうち、その概要を御説明申し上げますとともに、主要な事業への取り組み状況を申し述べ、議員各位、並びに町民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。
はじめに、富士川町魅力発信アンバサダーの委嘱についてであります。
町の魅力を広く発信し、町の知名度の向上及び、イメージアップを図ることを目的に、昨年6月に創設した 「富士川町魅力発信アンバサダー」経営者部門の委嘱を、先月行ったところであります。
今回は、昨年9月に委嘱を行った「スポーツ部門」13名の皆さま、本年2月に「文化芸能部門」14名の皆さまに続き、「経営者部門」3名の皆さまに委嘱を行いました。
お名前をご紹介いたします。
ジット株式会社代表取締役会長の石坂正人さん、株式会社フレアス代表取締役会長の澤登拓さん、株式会社はくばく代表取締役社長の長澤重俊さんです。
3名の皆さま共に本町在住であり、その輝かしいご実績と豊富なご経験は、町のイメージアップはもとより、町の活性化を図る上で、様々な効果を生み出していただけるものと確信しております。
アンバサダーの委嘱につきましては、当初計画どおり各部門ごとに行って参りましたが、今後も、様々な分野においてご活躍の方々の委嘱を、随時行って参りたいと考えております。
次に、富士川町立図書館の開館についてでああります。
町民の皆さま待望の富士川町立図書館については、本年7月15日にオープンしました。
町立図書館がオープンして、ひと月以上経過した9月1日現在で、入館者数7,129人、貸出冊数11,661冊、図書館利用カード登録者数1,616人と多くの皆さまにご利用いただいております。
これから、秋の読書週間や町の文化祭など、文化に親しむ機会が増えて参りますので、なお一層ご利用いただけるよう努力して参りたいと考えております。
次に、株式会社ふじかわまちづくり公社についてであります。
令和5年6月30日に、株式会社ふじかわまちづくり公社が設立されました。
株式会社ふじかわまちづくり公社は、民間の経営感覚をまちづくりに反映させ、町の地域社会における経済、文化、社会の発展に寄与する組織です。
まちづくり公社がふるさと納税事業や観光事業をを軸に、展開されることで、富士川町がより活性化されることと考えております。
こうしたことから、株式会社ふじかわまちづくり公社の運営費及び環境整備に係る所要の経費を今定例会に計上したところであります。
次に、新たな中学校の開校に向けてであります。
新たな中学校につきましては、昨年11月4日の総合教育会議での「新たな中学校の方針」の決定を受け、本年から富士川町新中学校開校検討委員会を再開し、調査検討部会を中心に検討項目についての協議や調整を進めているところであります。
こうした中、本年6月26日に、教育委員会定例会において、学校名を「富士川町立富士川中学校」と決定し、今定例会に、一部改正条例を上程しております。
新校舎については、生徒の安全及び現在の教育内容にあった教育環境を確保するため、建設工事設計業務プロポーザル審査委員会を設置し、5月から8月にかけてプロポーザルを実施し、設計業務の受託者を決定したところであります。
また、統合後の新たな学校生活が円滑に始められるよう、町内にある学校間の交流も、随時、実施しております。
これからも、富士川町の未来を担う子どもたちにとって、中学校生活が充実したものとなりますよう、教育の推進に努めて参ります。
次に、指定管理者の再指定についてであります。
地域健康福祉センターは、「社会福祉法人 富士川町社会福祉協議会」へ、平成31年4月から指定管理者として指定をし、明年3月にその指定期間が満了を迎えます。
この施設は、これまでの間、安定した経営を行ってきております。
「管理運営に関する基本協定」に基づき、指定期間を更新する場合は、指定期間満了の6か月前までに、指定期間の更新の申し出をすることとなっておりますので、先般、団体へ更新を打診したところ、引き続き指定を受けたい旨の回答がありました。
こうしたことから、「富士川町公の施設における 指定管理者の指定の手続等に関する条例」の規定に基づき、公募によらない指定管理の候補者として選定し、今定例会に指定案件を提出しております。
次に、農村RMO形成事業「将来ビジョン」についてであります。
全国的に人口減少が本格化する中、本町においても、都市部に先駆けて人口減少・高齢化が進行し、さらに、その傾向は中山間地域になるほど顕著な状況にあります。
今後、将来にわたって、農用地の保全活動や、暮らしを守る地域コミュニティを維持していくことは、まちづくりを進める上で、大きな課題となっております。
町では、こうした状況を鑑み、それぞれの集落が補完し合い、支え合いながら、持続可能な地域づくりを目指していくため、農村RMO形成事業を導入することとしました。町が目指す地域の将来像を示すものとして、「農村RMO形成事業 将来ビジョン」を策定しました。
「次世代につなぐ 魅力と活力あふれる地域づくり」をこの事業のテーマとし、「持続可能な農業・農村」の確立を目指して、取組を推進して参ります。
次に、町立保育所の名称変更についてであります。
保育所再編に伴い、本年4月から第1保育所・中央保育所・第5保育所の3園で運営しておりますが、子どもたちをはじめ地域のみなさんに親しまれる保育所名とするため、名称選定委員会を設置し、作業を進めてまいりました。
名称を公募した結果、町内外から200件を超える応募をいただき、名称選定委員会において、
第1保育所は「天神ゆずっこ保育園」、
中央保育所は「青柳そらっこ保育園」、
第5保育所は「鰍沢さくらっこ保育園」
が選定され、委員長から報告を受けたところであります。
こうしたことから、今後は、保育所の名称を改正する条例を上程し、明年4月から新たな名称で保育所の運営を行って参ります。
次に、富士川町 森林環境譲与税活用検討委員会の設置についてであります。
富士川町の森林面積は、総面積のおよそ8割を占め、この豊かな森林が持つ多くの機能を活かすには、森林をしっかりと整備していくことが必要だと考えております。
しかし、近年、林業の採算性の低下や、所有者不明の森林の顕在化、担い手不足などにより、手入れ不足の森林が増えていることが、全国的な問題となっております。
このような中、国は、令和元年度に、市町村による森林整備等の新たな財源として「森林環境譲与税」の譲与を開始し、町では、これまで、「富士川町森林整備計画」に基づき、この森林環境譲与税を、森林整備等の財源に充当してきました。
来年度からは、森林環境譲与税の財源となる「森林環境税」の課税が始まりますので、税の趣旨について理解の促進を図るとともに、その活用について広く意見を聴取し、計画的かつ効果的な税の活用に資することを目的に本委員会を設置いたします。
次に、地域防災リーダー養成講座の開催についてであります。
近年、国内では台風や線状降水帯の発生などによる自然災害が頻発しております。また近い将来、南海トラフ巨大地震や首都直下型地震が発生するとされており、これに起因する被害想定も出されております。
町では、こうした有事に備え、防災活動に積極的に係わる人材育成の取り組みとして、この秋、「地域防災リーダー養成講座」を開講いたします。
この講座におきましては、先に会見発表した「防災ビデオ」も教材として活用して参ります。
こうした講座を、町が主導して行うことにより、町民の中から、防災に関してより実践的な知識と技術を備えた人材を、より多く輩出し、更なる地域の防災力の向上に努めて参ります。
次に、富士川町総合計画・人口ビジョン・総合戦略・国土強靱化計画の進捗についてであります。
公募型プロポーザル方式で委託業者の公募を7月12日に告示をいたしました。
1社から応募があり、8月10日にプレゼンテーションを行い業者が決定、8月18日正式契約を締結したところであります。
総合計画、人口ビジョン、総合戦略については、本年度と来年度の2年をかけて策定を行い、国土強靱化計画については、本年度完成予定となっております。
総合計画の策定には町民の多くの声が反映できるよう、各地区において意見集約に取組んで参ります。
次に、新庁舎整備事業(グランドオープン)についてであります。
庁舎西側駐車場の整備につきましては、旧庁舎解体後、造成、外構、給排水、舗装工事と順調に進捗し、植栽工事についても、9月入札の発注準備が整ったことから、グランドオープンの日程を12月23日(土)と決定し、準備を進めたいと考えております。
なお、詳細につきましては、決まり次第、お知らせしたいと考えております。
次に、官製談合に係る訴訟経費についてであります。
官製談合に係る訴訟経費につきましては、弁護士から中間報告を受けて、訴訟準備が整ったことから、訴訟経費に必要な本年度分の費用を、本定例会に計上させていただいたところであります。
以上、今定例会に提出いたしました主なる案件と主要な取り組みについて述べさせていただきました。
今定例会に提出いたしました案件は、
報告案件3件、条例改正案件3件、補正予算案件4件、
指定案件1件、決算認定案件2件、合わせて13件の議案を提出しております。
提案理由につきましては、議案ごとに申し上げさせていただくこととしておりますが、よろしく御審議の上、御議決、賜りますよう、お願い申し上げ、あいさつといたします。