令和7年第1回富士川町議会定例会(3月定例会)
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公開日 2025年03月07日
更新日 2025年03月10日
本日ここに、令和7年3月富士川町議会定例会を招集いたしましたところ、議員各位におかれましては、公私ともに大変ご多忙の中、全員のご出席を賜り、誠にありがとうございます。また、日頃から町政推進のため、格別のご理解とご協力を賜っておりますことに、厚く御礼申し上げます。
まず、町制施行15周年記念事業についてです。
富士川町は、平成22年3月8日に旧増穂町と旧鰍沢町が合併して誕生し、明日3月8日で満15年を迎えます。町ではこれまで、町民の皆様、そして関係各位のご支援・ご協力をいただく中で、地域の発展と福祉向上に取り組んでまいりました。
本年は町制施行15周年記念事業として、第43回大法師さくら祭りを皮切りに、秋野暢子さんによる講演会、山車巡行祭りなど、これまで多くの記念イベントを実施してまいりました。これらの行事を通じて町の魅力を再認識し、地域の活性化につなげることができたと感じています。
今後も次の未来に向けて、町民の皆様が誇りを持てる富士川町を築くために、全力を尽くしてまいります。
次に友好都市交流事業についてです。
2月4日、大洗町議会議員の皆様を本町にお迎えし、歴史文化館「塩の華」や道の駅富士川を見学していただきました。さらに、昨年11月20日と2月15日には「大洗町に行こう!」と題した町政バス事業を開催しました。町民の皆様に大洗町を訪問していただき、神社や水族館の見学、名物あんこう鍋を堪能する機会を設けました。この事業では、両日合わせておよそ100名の方々にご参加いただき、大洗町の文化や魅力に触れていただきました。今後も、両町の友好関係をより一層深め、相互に発展していけるよう、交流事業を推進してまいります。
次に、富士川町太鼓フェスティバルについてです。
先月16日には、日本の伝統芸能の一つであり、地域に深く根付く「和太鼓」の魅力をより多くの町民の皆様に伝えるため、「富士川町太鼓フェスティバル・第32回山梨県ふるさと太鼓祭り」を山梨県太鼓連盟と共催いたしました。本フェスティバルには、町から参加した2団体と県内で活躍されている7団体が出演し、日頃の鍛錬の成果を披露していただきました。力強く迫力に満ちた演奏は、会場に足を運ばれた皆様の心に深く響き、大いなる感動を与えました。和太鼓の響きが生み出す一体感は、まさに地域の絆を象徴するものであり、町の文化の豊かさを改めて実感する機会となりました。これからも、富士川町の伝統文化を次世代へと引き継ぎ、地域の活性化につなげてまいります。
次に、県央ネットやまなしへの参画についてです。
「県央ネットやまなし」は、甲府市を中心とする周辺の10自治体で構成され、観光・福祉をはじめとする幅広い分野で連携し、地域の発展を目指す枠組みです。このたび、富士川町と市川三郷町が新たに加わることで、より強固な広域連携が実現されることとなりました。本協定の締結により、広域観光の推進や公共施設の共同利用など、自治体の枠を超えた取り組みが可能となり、住民の皆様により良いサービスを提供できるようになります。
また、人口減少という課題に対しても、自治体間の協力を深めることで持続可能な地域づくりを進めてまいります。本連携を通じて広域的な地域資源を活かしたまちづくりを、さらに進めていく事ができると確信しております。
次に、町民対話集会についてです。
1月24日に開催いたしました「町長と語ろう!対話集会」には、多くの皆様にご参加いただきました。会場が満席となるほどのご来場を賜り、また、オンライン配信を通じて多くの方々に町政の現状や今後の方向性をお伝えすることができました。皆様の関心とご協力に心より感謝申し上げます。
現在、私たちの町は、大きな変革の時を迎えております。少子高齢化や人口減少、財政の健全化といった課題に直面する中で、これまでの常識や予測を超える対応が求められています。こうした時代の変化に対応し、町の未来を切り拓いていくためには、町民の皆様との対話と協力が何よりも重要です。町民の皆様と共に知恵を絞り、行動し、一つひとつの課題を乗り越えていく覚悟です。
今後も活力ある町づくりのための施策を尽くし、次世代へと誇れるふるさとを引き継いでいくために、持続可能な地域づくりに向けて全力を尽くしてまいります。これからも、町民の皆様の声に耳を傾けながら、対話と現場主義による協働のまちづくりを進めてまいります。
次に、(仮称)富士川ヘリポートについてです。
本町では、地域の持続可能な発展と新たな魅力の創出を目的として、「富士川リバーサイドパーク構想」を推進しております。この構想の一環として、去る12月11日および17日に、富士川ヘリポートの試験運行を兼ねた遊覧飛行のモニターツアーが実施されました。このモニターツアーでは海外メディアやインバウンド関連の旅行代理店、さらには海外のインフルエンサーなどの方々が、富士川ヘリポートを発着点とし、富士山方面までの約20分間の遊覧飛行を体験しました。これにより、地域の観光資源の活用促進や、新たな交通手段の選択肢の拡大を図ることができます。
さらに、将来的には「空飛ぶ車」などの次世代移動手段にも対応できる基盤を整備し、地域の空の拠点としての役割を強化してまいります。これにより、観光だけでなく、防災や緊急輸送といった多目的な活用も見据えた計画を推進してまいります。
それでは、今定例会に提出いたしました案件のうち、主なものにつきまして、その概要を御説明申し上げますとともに、主要な事業への取り組み状況を申し上げます。
はじめに、総合計画、総合戦略、人口ビジョンの改定についてです。
本町ではまちづくりの羅針盤として、令和7年度から令和16年度までの10年間を見据えた「第三次総合計画」、令和7年度から令和11年度までの5年間を対象とする「第三次総合戦略」、そして令和7年度から令和42年度までの長期的視点を持つ「人口ビジョン」を策定いたしました。
第三次総合計画では、「地域から始まる協働のまちづくり」を軸に、郷土愛を育み、心豊かな人材を育成し、誰もが住みやすい環境を整えることを目指します。また、生活の質を向上させる安全なまちづくりや、地域の力を活かした、うるおいと活気ある町の実現、都市基盤の整備にも注力してまいります。
第三次総合戦略については、本町の持続可能な発展には、人口減少への対応が不可欠であるため、「富士川町に仕事をつくる」ことを最優先課題とし、地元産業の振興と雇用創出を推進します。同時に、「富士川町への流れをつくる」ことを目的に、移住・定住施策を充実させ、子育て支援を強化することで「結婚・出産・子育ての希望をかなえる」環境を整備してまいります。これにより、誰もが暮らしやすく、魅力的な富士川町の創造を目指します。
人口ビジョンについては、今後の町の発展には、若者世代の定着が鍵となりうるため、安心して働ける産業の振興や雇用創出に力を注ぎます。また、結婚、出産、子育て、働き方の多様な選択が可能な環境整備を進めるとともに、移住・定住の促進に向けた施策を強化し、地域の持続可能な発展を図ります。 これらの計画と戦略を一体的に推進し、町民の皆様とともに、より良い富士川町の未来を築いてまいります。
次に、令和7年度当初予算(案)についてです。
予算編成にあたりましては、徹底した行財政改革の取り組みに努め、行政の効率化を図るため、事業全般にわたり精査をいたしました。併せて、継続性や緊急性などを考慮するとともに、歳入確保に意を注ぎ、予算編成を行ったところであります。その結果、令和7年度の一般会計当初予算は、93億7,626万2千円となり、前年度比では、7.7%の増額となりました。
当初予算の増額の主な要因といたしましては、富士川中学校 新校舎建設事業費として、5億6,477万6千円を、増穂小学校給排水管改修事業費として、1億3,710万円を、天神ゆずっこ保育園大規模改修工事費として、1億2,399万2千円を、学校給食賄材料費および学校給食調理業務費等として、1億4,736万8千円を、富士川リバーサイドパーク事業費として、5,111万5千円を、計上したことによるものであります。令和6年度からの継続事業としては、農村RMOモデル形成支援事業交付金として、3,300万円を、在宅育児応援給付金として、228万円を、産後ママ応援事業費として、95万6千円を、計上いたしております。当初予算案の詳細については、後ほどの提案理由にて、述べさせていただきます。
次に、鰍沢中学校及び増穂中学校の閉校式についてです。
令和4年11月の「新たな中学校の方針」の決定以降、中学校の統合に向け、新中学校開校検討委員会を中心に、校名を始め、様々な検討項目を協議し、調整を進めてきたところであり、いよいよ4月には富士川中学校が開校いたします。
3月には、富士川中学校開校を目前に控え、町内の2つの中学校が閉校となります。今月20日木曜日の祝日に、鰍沢中学校の閉校式を、同校体育館にて、3月23日の日曜日には、増穂中学校の閉校式を、はくばく文化ホールにて執り行います。
4月に開校する富士川中学校につきましては、開校式を、4月7日の月曜日に、開校記念式典を5月21日の水曜日に予定しております。また、富士川中学校の新校舎につきましては、今年の5月ごろに、プールを解体し、工事車両の出入り口の工事に着手し、秋には校舎本体の工事に着手する予定でございます。校舎は令和8年度末の完成を予定しており、令和9年度の夏休み中に引っ越し、2学期から生徒が新校舎で学習する計画です。工事の終了は、外構工事を含めますと、令和11年度にかかる予定でございます。
次に、学校給食費の無償化についてです。
現在、小中学校の給食費につきましては、第2子半額、第3子以降無償とし、子育て世帯への経済的な負担を軽減するため取り組んで参りました。しかし、近年の物価高騰により、子育て世帯に係る経済的負担は増加する一方であります。こうしたことから、町では、子育て世帯への更なる支援として、明年度から、町内小中学校に在籍する児童生徒の保護者が負担する学校給食費を無償化することといたしました。また、学校給食費の無償化に伴い、食物アレルギーにより弁当を持参している児童・生徒や、町内在住で町外の小中学校に在籍する児童・生徒の保護者に対しても、町で定める給食費の額を限度に、補助金を交付するため令和7年度当初予算に計上したところであります。
次に、富士川いきいきスポーツ公園スケートパーク整備事業についてです。
昨年度「富士川リバーサイドパーク構想」の一環として位置付けたアーバンスポーツパークにおいて、本年1月28日に「富士川町アーバンスポーツ施設整備検討委員会」から整備方針をまとめた提言書が提出されました。提言書では、初心者から上級者まで楽しめるスケートボード場とする方針が示され、県内及び近隣でも最大規模の施設となることが報告されました。これを受けて、町では、まず初心者から中級者向けのスケートボード場として整備するための経費を令和7年度当初予算に計上したところであります。
令和7年度には、スケートボード場となる舗装の表面補強を行い、先ずは、誰もが自由に利用できるスケートパークとしてプレオープンし、その後、セクションが設置され次第、グランドオープンを予定しています。この施設が、町民の皆様にとって魅力的な場所となり、スポーツ振興と地域活性化に寄与できることと考えております。
次に、昌福寺・木造七面大明神倚像の町指定文化財の指定についてです。
青柳町の壽命山昌福寺所蔵の木造七面大明神倚像は、舟運時代に青柳河岸七面堂に、船乗りの安全を祈願して祀られた重要な仏像であります。所有者であります昌福寺から指定文化財申請があり、文化財審議会で審議し、本年4月1日をもちまして、町指定文化財として指定することといたしました。このことから本町の指定文化財は、国・県・町を合わせて56となりました。
次に、町立図書館入館5万人達成についてです。
富士川町立図書館の入館者が1月21日に5万人を達成しました。令和5年7月15日のオープン以来1年6カ月での達成となりました。5万人目は、町内の親族を訪問する際に、いつも町立図書館を利用している甲府市の親子でした。想定より早く5万人を達成できましたのは、日ごろより多くの皆さまが図書館を利用してくださっているおかげだと思っております。今後とも図書館のご利用をお願いいたします。
次に、町立図書館、雑誌スポンサー制度についてです。
富士川町立図書館では、雑誌コーナーの充実を図るために、雑誌スポンサーとして、雑誌の購入をしていただき、雑誌の最新号のカバーにスポンサー名とスポンサーの広告を掲載できる「富士川町立図書館雑誌スポンサー制度」を行います。募集するスポンサーは、企業や商店、団体及び個人を対象としておりますので、多くの皆さまからのご応募をお願いします。
次に、第三次子ども・子育て支援事業計画策定についてです。
令和7年度から令和11年度までの5年間を対象とし、国や県の動向を踏まえつつ、「子どもの未来を地域全体で支えるまちふじかわ」を目標とし、子どもが心身ともに健やかに安心して生活できる環境を地域全体で支え合う町を目指し、地域や関係機関等と連携を図り、本計画を推進してまいります。
次に、天神ゆずっこ保育園 園舎大規模改修工事についてです。
天神ゆずっこ保育園園舎は、建設当初から50年以上が経過し、これまで改築、大規模改修工事を行ってまいりましたが、老朽化に伴い施設の改修を計画し、今年度改修工事の設計が完了したところであります。改修内容については、保育室などの内装改修、エアコン及び厨房機器の入れ替え、照明機器のLED化、プールの日除け設置などを予定しております。子どもたちは現在の園舎から移動することなく工事が実施される為、安全を第一に考え進めてまいります。改修にあたり、所要の額を令和7年度当初予算に計上したところであります。改修により、良好な保育環境を整備することができ、子どもたちが健やかに成長できる環境を確保することができると考えております。
次に、森林環境譲与税を活用した子育て支援に関する事業としての乳幼児用絵本棚、年長児用2人掛けテーブル購入についてであります。
地元産木材を活用し、児童センターには乳幼児用絵本棚を、また、天神ゆずっこ保育園には年長児用2人掛けテーブルを設置するにあたり、所要の額を令和7年度当初予算に計上し、今定例会に提案したところであります。今後も、次世代を担う子どもたちが、幼少期から木に慣れ親しむことができる環境を提供し、木のぬくもりや自然の風合いなど、木の魅力に触れられる機会を創出していきたいと考えております。
次に、令和7年度消防団員確保の取組として、団員報酬出動手当の見直しについてです。
住民の安全と安心を守る消防団の活動は、地域社会にとって不可欠な存在であります。近年では、災害対応の高度化や頻発化により、消防団員の役割はますます重要になっております。一方で人口減少や就業構造の変化、若年層の都市部への流出など、消防団を取り巻く環境の変化に伴い、団員の確保が一層困難となる中で、地域の防災力の低下が懸念されております。こうした課題の解決に向けては、団員各位の士気の向上と、団員が適切に評価され継続的かつ安定した支援を受けることが重要であると考えます。このため、昨年に続き、責任ある役職を担う団員の報酬を見直し、活動意欲の向上と積極的な団員確保を図るため、出動手当も併せて改定し、令和7年度当初予算に計上したところであります。
次に、富士川町職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部改正についてです。
仕事と生活の両立支援と育児・介護を子どもの年齢に応じた柔軟な働き方を実現する措置の拡充を受け、(入園・卒園式、入学式などの)子どもの学校行事の場合でも、休暇取得が可能となるよう、取得範囲が拡大されました。このことから、学校行事参加休暇の規定を設置する改正案を、今定例会に上程したところであります。
次に、損害賠償請求訴訟についてです。
昨年9月定例会において、訴えの提起をしました「入札談合等に関する損害賠償請求訴訟」について、経過など状況をご説明いたします。昨年12月17日に第1回口頭弁論期日が開催され、本年1月22日に弁論準備手続きが開催されました。同期日では、相手方(前町長、設計事務所経営者)双方から、被害額208万円を解決金の名目で支払う和解の申し出がありました。これを受けて、町民にとって最良の判断をすべく、検討を重ねた結果、請求額の満額に近い解決金を得るのであれば、早期に解決することが最良であると判断したことから、手続きを進めることに致しました。つきましては、和解案が決まり次第、議会へ追加上程させていただきますので、よろしくお願いします。
以上、今定例会に提出いたしました主な案件と主要な取り組みについて述べさせていただきました。
今定例会には、条例改正案件 12件、補正予算案件 6件、予算案件14件、計画策定変更案件 2 件、規約変更案件2件、合わせて36 件の議案を提出しております。提案理由につきましては、議案ごとに申し上げることとしておりますが、何卒ご審議の上、ご議決賜りますようお願い申し上げ、あいさつといたします。
