令和5年第4回富士川町議会定例会(12月定例会)
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公開日 2023年12月08日
令和5年第4回富士川町議会定例会(12月定例会)
本日ここに、令和5年12月富士川町議会定例会を招集いたしましたところ、議員各位におかれましては、公私とも大変ご多忙の中を、全員の御出席を賜り、誠にありがとうございます。
また、日ごろから町政推進のため、格段の御理解と御尽力を賜っておりますことに、厚く御礼を申し上げます。
先般、町では、甲州富士川まつりを4年ぶりに開催することができました。
4年という長期の中断から、改めて祭りを開催するまでの道のりは決して簡単なものではなく、新しいイベントを立ち上げるよりも、難しい局面もございました。しかし、皆様のご協力をいただきながら、成功裏に開催できた今回の甲州富士川まつりにおいて、地域コミュニティの絆をより一層深めることができたと実感しております。
また、ゆずの里絶景ラン&ウォーク大会に代わるイベントとして行われた、「ダイヤモンド富士の見える町 ゆずの里ロゲイニング in 富士川町」も、多くの方に参加していただきました。
地域の皆様、関係者の皆様、そして何よりもこのような町のイベントを待ち望んでくださった来場者の皆様に、心より感謝申し上げます。
次に、「ふじかわまちづくり公社」の活動についてご報告申し上げます。
私たちは地域の持つ宝を磨き上げ、持続可能なまちづくりを目指すために、本年、ふじかわまちづくり公社を設立いたしました。この公社は、ふるさと納税制度を通じて地域の特産品を改めて見つめ直し、地域の活性化を図ると同時に、先人から受け継いだわが町の歴史、文化、地域資源を更に磨き上げ、最大限活用することによって地域の魅力を高めていく取り組みを行っております。
また、この取り組みを通じて、地域外の方々にも私たちの町の魅力を感じていただき、好きになってもらうことで富士川町のファンとの交流人口を増やして参りたいと考えております。また、ふるさと納税の実績といたしまして、現時点において、昨年度の納税額を上回るペースで推移しており、徐々に成果が見えてきているところであります。また、今回、町にいただいた企業版ふるさと納税を原資とした交付金事業を行って参ります。
これは町内の各区の自主財源を補完し、区の活性化と自主性を尊重する交付金であり、その使途は各区の判断により行うことができます。
次に、町制施行15周年についてであります。
明年度は町制施行15周年を迎える記念すべき年となります。15周年という節目の年を、町の未来に向けて、新たな挑戦と革新を進め、町の魅力をさらに高めていくための気運を創る、絶好のチャンスと捉えております。今後は、15周年の記念式典および記念行事などの内容を、より具体的なものとするための検討を加速させて参りたいと考えております。
それでは、開会にあたり、今定例会に提出いたしました案件のうち、主なるものにつきまして、その概要を御説明申し上げますとともに、主要な事業への取り組み状況を申し述べ、議員各位、並びに町民の皆さまの御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。
はじめに、富士川リバーサイドパーク構想についてであります。
これまでに、富士川の河川敷地には、「富士川親水公園」、「富士川水辺プラザ公園」、「いきいきスポーツ公園」を整備してきました。
今回、新たな水辺空間構想として、増穂IC~富士橋までの河川敷地において、「富士川リバーサイドパーク構想」をまとめたところであります。これは、これまで整備されてきた富士川の河川敷を、一つの公園として一体として捉えることにより、この町に住む町民の皆様ための新たな魅力ある河川公園として整備するものです。同時に、中部横断道の開通により爆発的に増えた人の流れを、道の駅富士川および町内へといざない、町の交流人口の増加と地域経済の活性化に寄与しようとする構想です。
この構想の中で、現在進捗している主な整備内容としましては、富士川親水公園北側の未利用地への「ドッグラン」の整備、いきいきスポーツ公園南側への「スケートボードパーク」の整備、観光やレジャーなどを目的とした民間のヘリコプターや、次世代モビリティも離着陸できる「ヘリポート」の整備、並びに道の駅富士川の北側の駐車場の整備計画です。今後は、国土交通省及び関係団体等との協議をさらに加速させて参りたいと考えています。
次に、先に述べた、リバーサイドパーク構想の中の、富士川親水公園ドッグラン整備事業についてであります。
町では、ペットツーリズムを推進するため、富士川親水公園北側に新しく、1,197平方メートルのドッグランを計画したところであります。ドッグランは、利用者が安全に利用できるように配慮し、初心者のエリアと、小型犬用、中・大型犬用に分かれたエリアを設置し、全面を芝生広場で計画しています。
また、町の玄関口となる道の駅富士川の近くであることから、イベントなどの開催により、ペットと同伴する観光客などの町内への波及効果も図って参ります。供用開始については、令和6年5月を予定しており、料金は無料で、利用には事前登録が必要となります。
また、財源としましては、これまでのように一般財源に委ねる事業ではなく、ふるさと納税を原資として充当する事業であり、このドッグランの整備は、町の単独事業でありながら、一般財源の負担はゼロで整備される「新しい事業モデル」の第一号として位置付けていきたいと考えています。
次に、ペッツオーライ株式会社とのペット共生社会の実現に関する連携協定締結についてであります。
人と動物との共生社会を実現するため、ペッツオーライ株式会社様と「ペット共生社会の実現に関する連携協定」を10月3日に締結いたしました。本協定における連携事項は、「ペットフレンドリーな町づくりに関すること」、「ペットツーリズムの推進に関すること」、「災害時支援に関すること」、「その他、ペット共生に資する取り組みに関すること」の4項目であります。
本町の豊かな自然と、ペッツオーライ株式会社様がこれまで培ったノウハウを最大限活かし、ペットの飼育環境の向上やペットツーリズムの推進などに力を合わせて取り組んでいきます。また、ドッグラン計画の監修も行っていだだき、ペットと一緒に本町を訪れていただけるような施策を展開する際のドッグランの運用など、ソフト面において、より専門的な知識を活かした協力をしていただく予定です。
次に、ガバメントクラウドファンディングについてであります。
クリーンファイターズ山梨は、富士川町と包括連携協定を結んでいるラグビーチームです。地域に根差した彼らの活動は、スポーツの分野に留まらず、地域社会への積極的な貢献を目指しています。今回、ガバメントクラウドファンディングを通じて、チームの強化及び、地域社会における新たなプロジェクトを展開することとなりました。このプロジェクトは、ラグビーを通じて地域の子どもから大人まで、スポーツの楽しさを伝えると共に、健康な生活習慣の促進、チームワークや協調性の育成にも寄与するものと考えております。また、地域の文化や伝統を尊重しながら、ラグビーを通じた交流の機会を創出することも目指しております。ガバメントクラウドファンディングを利用することで、これらの活動に必要な資金を集めることができ、地域外からの支援も受け入れることが可能であり、より多くの人々がこのプロジェクトに関わっていただくことで、町の活性化を図って参りたいと考えております。こうしたことから、プロジェクトを推進するため、今定例会に所要の経費を計上したところです。
次に、山梨県トラック協会と同協会峡南支部様との災害時における、各種協定の締結についてであります。
自然災害に備え、町民の不安をひとつずつ解消していくことは、町に課された重要な責務であると考えております。こうした中、この秋、災害時における重要な協定を、山梨県トラック協会及び、同協会峡南支部と締結することができました。山梨県トラック協会と締結しました「災害時における応急活動の協力に関する協定」では、災害用備蓄倉庫を町内に2箇所設置していただき、地域の方々が利用できるブルーシートなどを備えていただきました。
また、山梨県トラック協会峡南支部と締結しました「災害時における物資等の緊急輸送に関する協定」では、発災時に必要となる緊急輸送の業務を担っていただく事が可能となりました。これらは、町が目指す「災害に強い町づくり」にとって、大変有意義な協定であると認識しているところです。
次に、富士川町簡易水道事業の設置等に関する条例及び富士川町下水道事業の設置等に関する条例の制定についてです。
現在、簡易水道事業、営農飲雑用水事業及び下水道事業の経理については、特別会計を設置し、処理を行っているところであります。こうした中、平成27年1月27日付総務大臣通知により、地方公営企業法の全部又は一部を適用し、令和6年度までに公営企業会計へ移行するよう要請を受けたところであります。
こうしたことから、地方公営企業法の一部、財務規定等を適用し、簡易水道事業、営農飲雑用水事業及び下水道事業の経理を公営企業会計に移行するための条例の制定について提出するものであります。また、地方公営企業法の財務規定等を適用することに伴う関係する条例の一部を改正する条例も提出しているところであります。
次に、がん患者アピアランスケア助成事業についてであります。
この事業は、がん治療による副作用で悩む人の精神的、経済的支援を図ることにより、がん治療を受ける町民の補整具の購入費用に対する助成を行うため、今定例会に所要の経費を計上したところです。
次に、電気自動車用急速充電器の設置及び管理に関する条例の制定についてであります。
電気自動車の普及促進を目的といたしました、電気自動車用急速充電器を、新たに来庁者駐車場の東南側に設置いたしました。その急速充電設備に必要な事項を定めることから、今定例会に条例制定案件を提出するものです。
次に、富士川町地域防災リーダー養成講座についてであります。
近年、全国において、台風や突然の線状降水帯の発現によって大災害に発展する事例が相次いでおります。また近い将来、南海トラフ巨大地震や首都直下型地震が発生するとされ、これに起因する被害想定も出されております。町では、これらの有事に備え、防災活動に積極的に係わる人材育成を図るべく、この秋「富士川町地域防災リーダー養成講座」を開講しました。第1期生として、15名が修了証書の交付を受けましたが、明年以降も継続して開講することで、防災に関してより実践的な知識と技術を備えた人材が、地域の防災力の向上のために活躍されることを期待するところでございます。
次に、富士川町財務規則の一部改正についてであります。
財務規則の一部改正につきましては、議会の承認案件ではございませんが、内容が、官製談合等に係る不正行為の罰則強化及び抑止力を図るための改正でありますので、お知らせさせていただくものであります。改正内容につきましては、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、通称『独占禁止法』や刑法に抵触した場合、富士川町が、契約相手方に賠償金を請求できる『賠償金条項』の追加改正であります。本町において、二度とあのような不正行為が起こらないことを願い、抑止力強化を図りたいと考え、改正するものであります。
次に、公の施設の指定管理者の指定についてであります。
町では、これまで、地域活性化を目的として、平林活性化組合を、二つの公共施設の指定管理者としているところであります。平成31年度から5年間、富士川町平林体験農園休憩交流施設みさき耕舎を、また、富士川町農業体験宿泊施設たはたの宿を令和4年7月から指定管理者としてきましたが、両施設とも明年3月末に、その指定期間の満了を迎えます。この両施設の運営においては、平林活性化組合が中心的な役割を果たしており、献身的な努力と専門知識で、この施設の管理を行いながら、地域の発展に貢献していただいております。
こうしたことから、今後も、地域活性化や地域の雇用も見込まれることから「富士川町公の施設における指定管理者の指定の手続き等に関する条例」の規則に基づき、平林活性化組合を公募によらない指定管理者として再指定することとし、今定例会に公の施設の指定管理者の指定案件を上程したところであります。
なお、指定管理期間につきましては、令和6年4月1日から令和11年3月31日までの5年間となります。
次に、新庁舎整備事業についてであります。
新庁舎整備事業につきましては、このたび、来庁者駐車場が完成し、晴れて竣工を迎える運びとなりました。12月23日土曜日には、「新庁舎開庁グランドオープン式典」を予定させていただくとともに、翌週12月25日月曜日から、完成した駐車場をご利用いただけるよう、準備を進めているところであります。
次に、富士川町民体育館についてであります。
リニア中央新幹線の建設に伴い、令和元年に解体された町民体育館について、その後の対応と今後の計画について説明いたします。町民体育館が解体された後は、学校開放施設を含む9つの体育館を利用し、町民のスポーツ活動を支えてきました。体育館建設に関しては、町民体育館建設基本計画検討委員会においてこれまで、様々な観点から議論が重ねられてきたところです。
しかし、近年の大型公共事業による、町の財政悪化への懸念もあり、昨年度、令和13年までの財政シュミレーションを作成したところです。このシュミレーションの数値を鑑みると、近年の大型公共事業の負担分と併せて、これまで検討されてきた規模の体育館を建設した場合、将来負担比率は右肩上がりで増加することが明らかになったことから、公共施設の建設に関しては、より慎重に、現実的な検討が必要であると認識したところです。一方、町民との対話の中で、リニア新幹線の整備により失われた、旧町民体育館で活動していた社会体育およびスポーツ環境の場がこれまで長らく不足し続けているという切実な声を多く頂いたところであります。
まずは、旧町民体育館の解体により失われたスポーツ環境を、できる限り取り戻すことが喫緊の課題であると考えます。この失われたスポーツ環境の整備への対応として、早急に旧増穂商業高校の体育館の活用を、県と協議し進める方針です。また、鰍沢中学校体育館を社会体育施設として活用できるか検討して参ります。体育館建設につきましては、町民のニーズを考慮しつつ、体育館の規模、建設費用及びランニングコストを含む現実的かつ、具体的なコストを算出し、町の財政状況と入念にすり合わせを行ったうえで、建設時期や用地などの選定を決定して参ります。また、建設計画の詳細については、建設基本計画検討委員会、町議会及び、町民に説明し、適切な時期に建設事業を推進する予定です。
以上、今定例会に提出いたしました主なる案件と主要な取り組みについて、申し述べさせていただきました。
今定例会に提出いたしました案件は、条例制定案件3件、条例改正案件8件、補正予算案件11件、指定案件1件、計画変更案件1件、組合規約変更案件1件、合わせて25件の議案を提出しております。提案理由につきましては、議案ごとに申し上げさせていただくこととしておりますが、よろしく御審議の上、御議決、賜りますよう、お願いを申し上げ、あいさつといたします。