○富士川町政治倫理条例

令和3年3月24日

条例第1号

(目的)

第1条 この条例は、町政が町民の厳粛な信託によるものであることを認識し、その受託者たる町長、副町長、教育長(以下「町長等」という。)及び町議会の議員(以下「議員」という。)が、町民全体の奉仕者として人格と倫理の向上に努め、清潔かつ公正で開かれた民主的な町政の発展に寄与することを目的とする。

(町長等及び議員の責務)

第2条 町長等及び議員は、町民の信頼に値する倫理性を自覚し、地方自治の本旨に従って、その使命の達成に努めなければならない。

2 町長等及び議員は、品位と名誉を損なうような行為又は自己の地位による影響力を不正に行使することによっていかなる経済的利益も授受してはならない。

3 町長等及び議員は、政治倫理に違反する事実があるとの疑惑をもたれた場合は、第7条に定める政治倫理審査会に出席し、自ら潔い態度をもって疑惑の解明に当たるとともに、その責任を明らかにしなければならない。

(町民の責務)

第3条 町民は、自らも町政を担い公共の利益を実現する責務を有することを自覚し、自己の利益を図る目的をもって町長等及び議員に対し、その地位による影響力を不正に行使させるような働きかけを行ってはならない。

(町の請負契約等に関する遵守事項)

第4条 町長等は地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第142条、第166条及び第180条の5の規定を遵守しなければならない。

2 町長等の配偶者並びに同居の親族若しくは2親等以内の血族の者(以下「町長等の親族」という。)が経営若しくは役員(会社法(平成17年法律第86号)に規定する無限責任社員、取締役、執行役若しくは監査役又はこれらに準ずべき者、支配人及び清算人をいう。)をしている企業(組合等(民法(明治29年法律第86号)その他法律の規定により当該企業が出資している組合その他当該企業を含む複数の当事者が共同事業を営む団体をいう。)を含む。以下同じ。)又は町長等及び町長等の親族が実質的に経営に携わっている企業は、町民に疑惑の念を生じさせないため、町(町が50%以上出資している法人を含む。)が行う工事等の請負契約及び下請工事、業務委託契約並びに一般物品納入契約(以下「請負契約等」という。)を辞退しなければならない。

3 議員は、法第92条の2の規定を遵守しなければならない。

4 第2項に規定する「実質的に経営に携わっている企業」とは、次に掲げるものをいう。

(1) 町長等及び町長等の親族が資本金その他これに準ずるものの3分の1以上を出資している企業

(2) 町長等及び町長等の親族が報酬(顧問料等その他名目を問わない。)を収受している企業

(3) 町長等及び町長等の親族がその経営方針又は主要な取引に関与している企業

(税等の納付状況報告書の提出)

第5条 町長等及び議員は、次の各号に掲げる税等の納付状況を記載した報告書(以下「納付状況報告書」という。)を毎年5月1日から同月31日までの間に、町長等にあっては町長に、議員にあっては議長に提出しなければならない。

(1) 富士川町に係る町県民税、固定資産税、都市計画税、国民健康保険税及び軽自動車税の前年度分

(2) 富士川町に係る上水道料金、簡易水道料金、営農飲雑用水使用料、下水道使用料、集落排水使用料及び介護保険料並びに後期高齢者医療保険料の前年度分

2 町長等及び議員は、その職に就任後初めて納付状況報告書を提出するときは、前項の規定にかかわらず、前4年度分について提出するよう努めるものとする。

3 前2項に規定される納付状況報告書には、納付状況のわかる証明書類を添付しなければならない。

4 議長は、議員に係る納付状況報告書が提出されたときは、その写しを速やかに町長に送付しなければならない。

(納付状況報告書の公表)

第6条 町長は、前条の規定により提出された町長等及び議員の納付状況報告書を毎年6月15日までに町民に公表するものとする。

2 町民は公表により知り得たことを、この条例の目的に沿うよう適正に利用しなければならない。

(政治倫理審査会の設置)

第7条 政治倫理確立に関する必要な事項を調査するため、法第138条の4第3項の規定に基づき富士川町政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を設置する。

2 審査会の委員は、次の各号に掲げる者を町長が議長の意見を聞き委嘱する。

(1) 審査会が行う職務に関し弁護士等専門的知識を有する者 2名

(2) 法第18条に規定する選挙権を有する町民 5名

3 審査会の委員の任期は2年とし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。ただし、委員は任期が満了した場合においても後任の委員が選任されるまでの間その職務を行うものとする。

4 審査会の会議は公開するものとする。ただし、やむを得ず非公開とするときは、委員定数の3分の2以上の同意を必要とする。

5 審査会の委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職務を退いた場合も同様とする。

(審査会の職務)

第8条 審査会は次に掲げる職務を行う。

(1) 町民の調査請求について必要な調査を行い、意見書を町長に提出すること。

(2) 説明会の開催について意見書を町長に提出すること。

(3) その他この条例による政治倫理の確立を図るため、町長の諮問を受けた事項について調査、答申、勧告をし、又は建議すること。

(町民の調査請求)

第9条 町民は、次の各号に掲げる事由があるときは、これを証する資料を添えて、法第18条に定める選挙権を有する者100分の1以上の連署とともに文書で、町長等に係るものにあっては町長に、議員に係るものにあっては議長に調査を請求することができる。

(1) 政治倫理に違反する疑いがあるとき。

(2) 請負契約等の辞退に違反する疑いがあるとき。

(3) 納付状況報告書に疑義があるとき。

2 前項に規定する調査請求があったときは、町長等に係るものにあっては町長から議長に、議員に係るものにあっては議長から町長に、調査請求書(添付資料を含む。)の写しを速やかに送付しなければならない。

3 町長は、町長等又は議員に関わる調査請求書の写しを速やかに審査会に提出し、調査を求めなければならない。

4 審査会は、前項の規定により調査を求められたときは、調査を求められた日から60日以内に調査結果について意見書を作成し、町長に提出しなければならない。

5 町長は、前項の規定により意見書が提出されたときは、請求者及び議長に対し、その写しを速やかに送付するとともに、町民に公表しなければならない。

(起訴後の説明会)

第10条 町長等及び議員が、刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4までの各条及び第198条に定める罪並びに公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律(平成12年法律第130号)に定める罪、その他職務に関する犯罪の容疑による起訴後、引き続きその職にとどまろうとするときは、町長等にあっては町長に、議員にあっては議長に、町民に対する説明会の開催を求めなければならない。この場合において、当該町長等及び議員は説明会に出席し釈明しなければならない。

2 町民は、前項の規定による説明会が開催されないときは、法第18条に定める選挙権を有する者50人以上の連署をもって説明会の開催を請求することができる。

3 前項の規定による請求は、起訴された日から50日以内に、町長等に係るものにあっては町長に、議員に係るものにあっては議長に対し行うものとする。

4 議長は、前項の議員に係る説明会の開催請求があったときは、開催請求書を速やかに町長に送付しなければならない。

5 町長は、説明会開催の適否についてあらかじめ審査会の意見を聴かなければならない。

(委任)

第11条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和3年4月1日から施行する。

(適用日)

2 第4条第4項の規定は、町長及び議員にあっては本条例の施行日以後行われる町長選挙及び町議会議員一般選挙から適用し、副町長及び教育長にあっては施行日以後に始まる任期から適用する。

(富士川町特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

3 富士川町特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(平成22年富士川町条例第46号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(令和3年6月16日条例第18号)

この条例は、公布の日から施行する。

富士川町政治倫理条例

令和3年3月24日 条例第1号

(令和3年6月16日施行)