○富士川町特定公共賃貸住宅管理条例

平成22年3月8日

条例第175号

(目的)

第1条 この条例は、特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律(平成5年法律第52号。以下「法」という。)第18条第1項の規定に基づき、富士川町特定公共賃貸住宅(以下「特定公共賃貸住宅」という。)を設置することにより、中堅所得者等の居住の用に供する居住環境が良好な賃貸住宅の供給を促進し、もって町民生活の安定と福祉の増進を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 特定公共賃貸住宅 第8条に規定する要件を満たす者の入居に供するため、本町が、法第18条の規定に基づき建設し、管理する住宅及びその附帯施設をいう。

(2) 所得 特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律施行規則(平成5年建設省令第16号。以下「省令」という。)第1条第3号に規定する所得をいう。

(3) 共同施設 特定公共賃貸住宅に付設された児童遊園、集会所及び管理事務所をいう。

(4) 住宅監理員 公営住宅法(昭和26年法律第193号。以下「公営法」という。)第33条の規定により町長が任命する者をいう。

(名称及び位置)

第3条 特定公共賃貸住宅の名称及び位置は、規則で定める。

(入居の許可)

第4条 特定公共賃貸住宅に入居しようとする者は、町長の許可を受けなければならない。

(入居の申込みの限度)

第5条 特定公共賃貸住宅の入居の申込みは、公募の都度1世帯1戸限りとする。

(入居者の公募の方法)

第6条 町長は、特定公共賃貸住宅の入居者(以下「入居者」という。)の公募を次に掲げる方法により行うものとする。

(1) 広報

(2) 公示

2 前項の規定による公募は、特定公共賃貸住宅の所在地、戸数、規模、構造、家賃、家賃の減額、入居資格、申込方法、選考方法の概略、入居時期その他必要な事項を公示する。

(公募の例外)

第7条 町長は、次の各号のいずれかに掲げる事由に該当する者については、前条第1項の規定にかかわらず、公募によらないで特定公共賃貸住宅に入居させることができる。

(1) 災害による住宅の滅失

(2) 不良住宅の撤去

(3) 公営法第2条第15号に規定する公営住宅建替事業による公営住宅の除却

(4) 都市計画法(昭和43年法律第100号)第59条の規定に基づく都市計画事業、土地区画整理法(昭和29年法律第119号)第3条第4項若しくは第5項の規定に基づく土地区画整理事業又は都市再開発法(昭和44年法律第38号)に基づく市街地再開発事業の施行に伴う住宅の除却

(5) 土地収用法(昭和26年法律第219号)第20条(同法第138条第1項において準用する場合を含む。)の規定による事業の認定を受けている事業又は公共用地の取得に関する特別措置法(昭和36年法律第150号)第2条に規定する特定公共事業の施行に伴う住宅の除却

(6) 前各号に定めるもののほか、町長が公益上その他特に必要があると認める場合で、規則で定めるとき。

(入居者の資格)

第8条 特定公共賃貸住宅の入居の申込みができる者は、次に掲げる要件を満たす者でなければならない。

(1) 本町の区域内に住所又は勤務場所を有する者で市町村税を滞納していないこと。

(2) 入居の申込みをした日において、省令第6条及び省令第7条に規定する所得の範囲内で、規則で定める所得の額を有する者であること。

(3) 自ら居住するため住宅を必要とする者で、現に同居し、又は同居しようとする親族(婚姻の届をしないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者その他婚姻の予約者を含む。以下同じ。)があるものであること。

(4) その者又は現に同居し、若しくは同居しようとする親族が暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第6号に規定する暴力団員(以下「暴力団員」という。)でないこと。

2 町長は、必要があると認めるときは、前項各号以外の入居の申込みができる者の満たすべき要件を別に定めることができる。

(入居の申込み及び入居予定者の決定)

第9条 前条の規定する入居者の資格を有する者であって、特定公共賃貸住宅に入居しようとするものは、期間の定めるところにより、入居の申込みをしなければならない。

2 町長は、第6条の規定により公募をした場合において、特定公共賃貸住宅の入居の申込みをした者の数が入居に供する特定公共賃貸住宅の戸数を超えるときは、前条に規定する要件を満たす者のうちから抽選の方法により入居予定者を決定する。

3 町長は、規則で定める特に居住の安定を図る必要がある者については、前項に規定する抽選以外の抽選により又は抽選によらないで、特定公共賃貸住宅の入居予定者を決定することができる。

4 前2項の規定にかかわらず、第7条各号に掲げる事由に該当する者に係る入居予定者の決定については、町長が別に定める。

5 町長は、入居の決定に当たっては、富士川町営住宅管理条例施行規則(平成22年富士川町規則第118号)第26条に規定する入居者選考委員会の意見を聞いて定める。

(入居補欠者等)

第10条 町長は、前条第1項及び第2項の規定に基づいて入居補欠者を決定する場合において、入居予定者のほかに補欠として別に順位を定めて必要と認める数の入居補欠者を定めることができる。

2 町長は、前条の規定により入居予定者と決定された者が次条第1項の規定により同項に規定する期間内に手続をしないとき、同条第2項の規定により許可を受けた者が同条第4項の規定に違反して入居をしないとき、又は入居者が次の入居予定者の決定までに特定公共賃貸住宅を明け渡したときは、前項の入居補欠者をその順位に従い、当該特定公共賃貸住宅の入居予定者とすることができる。

3 入居補欠者としての資格有効期間は、次の入居者の公募に係る入居補欠者の決定の日の前日までとする。

(入居手続等)

第11条 特定公共賃貸住宅の入居予定者と決定された者は、決定のあった日から10日以内に次に掲げる手続をしなければならない。

(1) 国内に居住し、かつ、入居予定者と同程度以上の収入を有する者で、町長が適当と認める連帯保証人が連署した賃貸借契約書を提出すること。

(2) 第18条第1項に規定する敷金を納付すること。

2 町長は、前項の手続を完了した者(以下「入居決定者」という。)に対して、特定公共賃貸住宅の入居を許可する。

3 町長は、前項の規定により特定公共賃貸住宅の入居を許可したときは、入居決定者に対して入居開始の日を指定するものとする。

4 入居決定者は、前項の規定により指定された入居開始の日(以下「入居指定日」という。)から10日以内に入居を開始しなければならない。ただし、特に町長の承認を受けたときは、この限りでない。

(家賃の決定及び変更)

第12条 特定公共賃貸住宅の家賃(以下「家賃」という。)は、限度額家賃(法第13条第1項の規定に基づき省令第20条第1項及び第2項で定める算出方法に準じて算出した額をいう。)を超えない範囲内で、近隣の規模、構造等が同程度の賃貸住宅の家賃の額と均衡を失しないよう規則で定める。

2 町長は、次の各号のいずれかに該当する場合は、変更限度額家賃(法第13条の規定に基づき省令第20条及び省令第21条で定める算出方法に準じて算出した額をいう。)を超えない範囲内で、近隣の規模、構造等が同程度の賃貸住宅の家賃の額と均衡を失しないよう家賃を変更することができる。

(1) 物価その他経済事情の変動に伴い家賃を変更する必要があると認めるとき。

(2) 近隣の規模、構造等が同程度の賃貸住宅の家賃と家賃との格差が大きいと認めるとき。

(3) 特定公共賃貸住宅について改良を施したとき。

(入居利用の減額)

第13条 町長は、入居者の家賃負担の軽減を図るため、期限を定めて家賃の減額を行うことができる。

2 前項に規定する減額は、前条の規定に基づき定められた家賃と次条第1項に規定する入居者負担額との差額(以下「差額」という。)を当該家賃から控除することにより行うものとする。

(入居者負担額の決定)

第14条 町長は、前条に規定する家賃の減額を行うため、毎年入居者負担額を定める。

2 前項の入居者負担額の決定の方法は、所得の区分及び特定公共賃貸住宅の管理開始からの期間に応じて規則で定める。

(減額の申請等)

第15条 入居者は、第13条に規定する家賃の減額を受けようとするときは、所得を証明する書類を添付した減額申請書を毎年町長の指定する日までに町長に提出しなければならない。

2 町長は、前項に規定する申請書の提出があった場合は、その内容を審査し、その所得を認定して、前条第2項の規定に基づき入居者負担額を定め、家賃の減額を行うことを決定する。

3 町長は、前項の規定により家賃の減額を行うことを決定したときは、家賃、差額、入居者負担額、減額期間その他必要な事項を明記して、毎年入居者に対し通知する。

4 第2項の規定により認定された所得が、前項の減額期間内に前条第2項に規定する所得の区分を下回って変動した場合には、入居者は、当該減額期間内に所得の再認定の請求をすることができる。この場合において、前3項の規定を準用する。

5 町長は、第1項に規定する申請書の提出がない場合は、当該入居者に対し家賃の減額を行わないものとする。

6 町長は、入居者が偽りその他不正の行為により第1項の規定する申請をし、家賃の減額を受けた場合は、当該申請に係る減額期間内における家賃の減額の決定を取り消すことができる。

(家賃の徴収)

第16条 家賃(前条第2項の規定により入居者負担額が決定されたときは、その額。以下この条、次条第18条第2項及び第26条第1項において同じ。)は、入居指定日から特定公共賃貸住宅を明け渡した日(第26条第1項の規定により明渡しの請求をしたときは、その請求をした日。第3項において同じ。)まで徴収する。

2 家賃は、毎月の末日(月の中途で明け渡した場合は、明け渡した日)までに、その月分を納付しなければならない。ただし、その日が日曜日、土曜日若しくは国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に規定する休日又は12月31日から翌年の1月3日までの日に当たるときは、これらの日の翌日までとする。

3 第1項の入居指定日又は特定公共賃貸住宅を明け渡した日が月の途中であるときは、その月の家賃は、日割計算による。

4 入居者が、第25条第1項に規定する手続を経ないで特定公共賃貸住宅を明け渡したときは、町長が明渡しの日を認定し、その日までの家賃を徴収する。

(家賃の減免及び徴収猶予)

第17条 町長は、入居者が次の各号のいずれかに該当する場合には、家賃を減免し、又は徴収を猶予することができる。

(1) 地震、暴風雨、洪水、火災等の災害により特定公共賃貸住宅について被害を受けたとき。

(2) 前号に掲げる場合のほか、町長が別に定める特別な事由があるとき。

(敷金)

第18条 町長は、入居者から3月分の家賃に相当する金額の敷金を徴収する。

2 前項に規定する敷金は、入居者が当該特定公共賃貸住宅の明渡しをした後、本人の請求により還付する。ただし、未納の家賃、第21条第2項の規定による損害賠償金又は第26条第2項の規定による未納の家賃に相当する額があるときは、当該敷金のうちからこれを控除する。

3 敷金には、利子を付けない。

(修繕費用の負担)

第19条 特定公共賃貸住宅及び共同施設の修繕に要する費用で規則で定めるものは、本町の負担とする。ただし、入居者及び同居の親族(以下「入居者等」という。)の責めに帰すべき事由によって修繕の必要が生じたときは、入居者の負担とする。

(入居者の費用負担義務)

第20条 次に掲げる費用は、入居者の負担とする。

(1) 電気、ガス、水道及び下水道の使用料(共同部分の使用料を含む。)

(2) 共同施設の使用に要する費用

(3) 特定公共賃貸住宅及び共同施設の修繕に要する費用で、規則で定めるもの

(入居者等の保管義務等)

第21条 入居者等は、当該特定公共賃貸住宅及び共同施設の使用について必要な注意を払い、これらを正常な状態において維持しなければならない。

2 入居者等の責めに帰すべき事由により、当該特定公共賃貸住宅又は共同施設を滅失し、又は損傷したときは、入居者は、直ちに町長に届け出て、これを原状に回復し、又はこれによって生じた損害を賠償しなければならない。

3 入居者は、当該特定公共賃貸住宅の模様替えをし、及び用途の変更をしてはならない。ただし、第23条第1項第2号及び第3号の規定による承認を受けた者は、この限りでない。

4 入居者等は、周辺の環境を乱し、又は他に迷惑を及ぼす行為をしてはならない。

5 入居者等が当該特定公共賃貸住宅を引き続き30日以上使用しないときは、入居者は町長に届け出なければならない。

(入居権の譲渡等の禁止)

第22条 第24条に規定する場合を除くほか、入居者は、当該特定公共賃貸住宅を他の者に貸し、又はその入居の権利を他の者に譲渡してはならない。

(承認事項)

第23条 次の各号のいずれかに該当する場合には、入居者は、町長の承認を受けなければならない。

(1) 特定公共賃貸住宅に承認を受けた同居の親族以外の親族を同居させようとするとき。

(2) 特定公共賃貸住宅の模様替えをしようとするとき。

(3) 特定公共賃貸住宅の一部を住宅以外の用途に使用しようとするとき。

2 町長は、前項第1号の規定により同居させようとする者が暴力団員であるときは、同項の承認をしてはならない。

(入居権の承継)

第24条 入居者が、同居の親族を残して死亡し、又は転出した場合において、当該同居の親族が引き続き当該特定公共賃貸住宅の入居を希望するときは、規則で定めるところにより入居の権利の承継について町長の承認を受けなければならない。

2 町長は、前項の承認を得ようとする者が暴力団員であるときは、同項の承認をしてはならない。

(退去手続)

第25条 入居者が特定公共賃貸住宅を明け渡そうとするときは、14日以前に町長に届け出て、当該特定公共賃貸住宅の検査を受けなければならない。

2 入居者が第23条第1項第2号の規定により承認を受け、特定公共賃貸住宅の模様替えをしたときは、前項の検査のときまでに、入居者の負担で原状回復を行わなければならない。

(明渡し請求等)

第26条 町長は、入居者が次の各号のいずれかに該当する場合には、催告によらないで、入居者に対して、第11条第2項の規定による入居の許可を取り消し、期日を指定して当該特定公共賃貸住宅の明渡しを請求することができる。ただし、第7号の場合においては、催告を行うものとする。

(1) 不正の行為により特定公共賃貸住宅に入居したとき。

(2) 家賃を3月以上滞納したとき。

(3) 特定公共賃貸住宅又は共同施設を故意に損傷したとき。

(4) 偽りその他不正の行為により家賃の徴収を免れたとき。

(5) 第21条及び第22条の規定その他この条例の規定又はこれに基づく町長の指示に違反したとき。

(6) 暴力団員であることが判明したとき(同居者が該当する場合を含む。)

(7) 前各号に定めるもののほか、町長が公益上及び管理上必要と認めるとき。

2 前項の規定により特定公共賃貸住宅の明渡しの請求を受けた者は、町長の指定する日までに当該特定公共賃貸住宅の明渡しをしなければならない。この場合において、当該者は、請求を受けた日の翌日から明渡しの日までの家賃(その者が家賃の減額を受けている場合にあっては、入居者負担額)に相当する金額を2倍した金額を損害賠償金として納付しなければならない。

(住宅監理員等の設置)

第27条 特定公共賃貸住宅又は共同施設の管理に関する事務をつかさどり、並びに特定公共賃貸住宅及びその環境を良好な状態に維持するよう入居者等に必要な指示を与えるため、特定公共賃貸住宅監理員(以下「住宅監理員」という。)を置く。

2 住宅監理員は、町長が町職員のうちから任命する。

3 町長は、必要があると認めるときは、住宅監理員の職務を補助させるため特定公共賃貸住宅連絡人を置くことができる。

(特定公共賃貸住宅の検査等)

第28条 町長は、特定公共賃貸住宅の管理上必要と認めるときは、町長の指定する者に特定公共賃貸住宅の検査をさせ、又は入居者等に対して適当な指示をさせることができる。

2 前項の検査において、現に入居している特定公共賃貸住宅に立ち入るときは、あらかじめ当該特定公共賃貸住宅の入居者の承諾を得なければならない。

3 第1項の規定により検査に当たる者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。

(警察本部長への情報提供依頼)

第29条 町長は、次に掲げる場合においては、特定公共賃貸住宅に入居しようとする者若しくは現に同居し、若しくは同居しようとする者又は入居者若しくは同居者に関し、暴力団員であるか否かについて、山梨県警察本部長(以下「警察本部長」という。)に対し、情報の提供を求めることができる。

(1) 第9条の規定による決定をしようとする場合

(2) 第23条第1項第1号若しくは第24条の規定による承認又は第26条第1項の規定による請求(同項第6号に該当する場合に限る。)をしようとする場合

(町長への情報提供)

第30条 警察本部長は、前条の規定により情報の提供を求められた場合のほか、その保有する情報により入居者又は同居者が暴力団員であると認められる場合においては、町長に対し、その情報を提供することができる。

(委任)

第31条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成22年3月8日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日の前日までに、合併前の増穂町特定公共賃貸住宅管理条例(平成7年増穂町条例第11号)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、この条例の相当規定によりなされたものとみなす。

(平成22年12月20日条例第218号)

この条例は、公布の日から施行する。

(令和2年3月25日条例第14号)

(施行期日)

1 この条例は、令和2年4月1日から施行する。

富士川町特定公共賃貸住宅管理条例

平成22年3月8日 条例第175号

(令和2年4月1日施行)

体系情報
第10編 設/第6章
沿革情報
平成22年3月8日 条例第175号
平成22年12月20日 条例第218号
令和2年3月25日 条例第14号