○富士川町文化財保護条例

平成22年3月8日

条例第106号

(趣旨)

第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第182条第2項の規定に基づき、町内に所在する文化財のうち重要なものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって町民の文化向上に資するとともに、日本文化の進歩に貢献するものとする。

(定義)

第2条 この条例で「文化財」とは、法第2条第1項各号に掲げる有形文化財、無形文化財、民俗文化財、記念物及び文化的景観で、同法及び山梨県文化財保護条例(昭和31年山梨県条例第29号)の規定により指定を受けたもの以外のものをいう。

(財産権等の尊重及び他の公益との調整)

第3条 富士川町教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の施行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。

(指定)

第4条 教育委員会は、第2条に規定する文化財のうち重要なものを、町指定文化財(以下「指定文化財」という。)に指定することができる。

2 前項の規定により指定しようとするときは、あらかじめその文化財の所有者及び権原に基づく占有者(所有者又は権原に基づく占有者が判明しない場合を除く。)の申請に基づき、又はその同意を得て行う。

3 第1項に規定する指定文化財のうち無形文化財を指定するに当たっては、指定無形文化財の保持者を認定しなければならない。

(告示及び通知)

第5条 前条の指定をしたときは、教育委員会は、その旨を公示し、かつ、所有者及び権原に基づく占有者又は保持者として認定しようとする者に通知しなければならない。

(解除)

第6条 教育委員会は、指定文化財がその価値を失った場合その他特別の理由があるときは、その指定を解除するものとする。

2 指定無形文化財の保持者が死亡したときは、保持者の認定は、解除されたものとする。

(指定書及び認定書)

第7条 教育委員会は、指定文化財(指定無形文化財を除く。以下同じ。)を指定したときはその所有者に指定書を、指定無形文化財の保持者を認定したときは認定書を交付しなければならない。

2 指定文化財の所有者は、前条の規定による解除の通知を受けたときは、速やかに指定書を教育委員会に返還しなければならない。

3 指定無形文化財の保持者又は相続人は、前条による解除の通知を受けたときは、速やかに認定書を教育委員会に返納しなければならない。

(管理義務及び責任者)

第8条 指定文化財の所有者は、この条例及びこれに基づく教育委員会の指示に従い、指定文化財を管理しなければならない。

2 指定文化財の所有者は、専ら自己に代わり、当該指定文化財の責めに任ずべき者(以下「管理責任者」という。)を選任することができる。

3 管理責任者には、第1項の規定を準用する。

(所有者の変更による権利義務の承継)

第9条 指定文化財の所有者が変更となったときは、所有者は、当該指定文化財に関し、この条例に基づく教育委員会の指示その他の処分による旧所有者の権利義務を承継する。

2 前項の場合には、旧所有者は、当該指定文化財の引渡しと同時に、その指定書を所有者に引き渡さなければならない。

(現状変更の承認)

第10条 指定文化財の現状を変更しようとするときは、教育委員会の承認を受けなければならない。

(届出)

第11条 指定文化財の所有者、占有者又は管理責任者は、次に該当するときは、速やかに教育委員会に届け出なければならない。

(1) 所有者又は占有者が変更したとき。

(2) 管理責任者を選任変更又は解任したとき。

(3) 所有者、占有者又は管理責任者がその氏名又は住所(法人にあってはその名称又は所在地)を変更したとき。

(4) 指定文化財の所在の場所を変更したとき。

(5) 指定文化財の全部又は一部が滅失、き損、亡失若しくは盗難にあったとき。

2 前項第1号から第3号までの場合にあっては、関係人の連署を必要とする。

3 指定無形文化財の保持者が死亡したときは、その相続人が届け出なければならない。

(環境保全)

第12条 教育委員会は、指定文化財の保存のため必要あると認めたときは、地域を定めて一定の行為を制限し、又は禁止することができる。

第13条 教育委員会は、指定文化財の管理に必要な標識又は説明板境界標その他の施設を設置するものとする。

(調査)

第14条 教育委員会は、必要があると認めたときは、所有者又は管理者に対し指定文化財の現状若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。

(出品及び公開等)

第15条 教育委員会は、指定文化財の所有者に公開の用に供するため、その出品を勧告することができる。

2 教育委員会は、指定無形文化財の保持者に対し、その公開を勧告することができる。

3 前2項の規定による出品又は公開のために要する費用は、その全部又は一部を町の負担とすることができる。

(補助金)

第16条 指定文化財の管理若しくは復旧のため多額の経費を要し、所有者又は保持者がその負担にたえない場合、その他特別な事由がある場合には、その経費の一部に充てさせるため、補助金を交付することができる。

2 前項の補助金を交付する場合には、教育委員会は、その補助の条件として必要な事項につき指示することができる。

(補助金の返還)

第17条 前条第1項の規定による補助金の交付を受けた者が補助条件に違反したとき、その他特別な理由があると教育委員会が認めたときは、補助金の全部又は一部の返還を命ずることができる。

(文化財保護審議会の設置)

第18条 教育委員会の附属機関として、富士川町文化財保護審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、委員10人以内をもって組織する。

3 委員は、学識経験のある者のうちから教育委員会が委嘱する。

4 委員の任期は、2年とし、再任は妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

(任務)

第19条 審議会は、教育委員会の諮問に応じて文化財の調査研究に当たり、その保存指導及び活用について審議し、かつ、これらに関する専門的又は技術的事項に関し必要と認める事項を建議する。

2 教育委員会は、次に掲げる事項については、審議会に諮問しなければならない。

(1) 文化財の指定及びその解除

(2) 文化財の現状変更

(3) その他必要と認める事項

(役職)

第20条 審議会に会長を置き、委員の互選により選任する。

2 会長は、審議会の会務を総理し、会議の議長となる。

3 会長に事故があるときは、あらかじめ会長の定めた委員がその職務を代理する。

(会議)

第21条 会議は、会長が招集する。

2 会議は、委員の過半数が出席しなければ開くことができない。

3 議事は、出席委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。

(費用弁償)

第22条 委員がその職務のため要した費用は、その年度の予算の範囲内でこれを弁償する。

(委任)

第23条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成22年3月8日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日の前日までに、合併前の増穂町文化財保護条例(昭和46年増穂町条例第13号)又は鰍沢町文化財保護条例(昭和40年鰍沢町条例第13号)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、それぞれこの条例の相当規定によりなされたものとみなす。

富士川町文化財保護条例

平成22年3月8日 条例第106号

(平成22年3月8日施行)