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町長所信表明

令和4年第1回富士川町議会臨時会

町長所信表明の様子はコチラ(youtube動画)

 

 

 本日ここに、令和4年 第1回 富士川町議会臨時議会を招集いたしましたところ、議員各位におかれましては公私とも大変ご多忙の中を、全員のご出席を賜り誠にありがとうございます。

 

 開会にあたり、私の町長就任の挨拶を申し述べ、議員各位並びに町民の皆様のご理解をお願い申し上げたいと存じます。

 

 1月16日に執行されました富士川町長選挙において、町民の皆様からの負託を受け、町政執行を担わせて頂くこととなりました。

 

 愛する富士川町の発展のためにこの身を捧げる覚悟と同時に、未来へ向けた町の舵を取るという重責を担わせて頂くことに対して、強い使命感を持って全身全霊を注いでいく所存でございます。

 

 私が町長に就任するにあたり、「対話と現場主義による協働のまちづくり」 を掲げました。

 

 町政とは町民の生活に密接に関わっているものであり、個人の力だけでは成し得ない様々な事柄を団体の意思として実現するものです。従って全ての政策は町民の皆様の多数の意思を反映したものでなくてはならず、重要な町の決定において対話の過程無くして進められるはずがありません。

 「対話と現場主義による協働のまちづくり」とは、対話によって現場の当事者である町民の皆様が本来求めている事は何かを見定めること、町民の皆様とともに作りあげた目標に向かって力を合わせ、ともに理想とする未来を創って行こうというメッセージです。

 

 このメッセージの原点は、私が政治に携わるきっかけとなった平成の大合併に遡ります。

 

 富士川町誕生の過程において白熱した合併議論の経過の中で、一町民の声はかき消され、政治に対しての無力感を感じていた当時、同じように住民不在の行政の進め方に疑問を抱いた同年代の仲間を中心に、広く様々な方々の支援を受け、平成19年に当時の増穂町議会議員に当選させて頂きました。以来、政治の世界に身を投じて15年間、常に住民の本当の民意はどこにあるのかを考え、住民に寄り添った政治を目指して来たつもりです。

 

 時を経て、改めて町政に関わる場に戻って来ましたが、その志は今も当時と変わりません。富士川町の主役はすべての町民であり、町民全員が参加できるまちづくりを目指し取り組んで行く所存です。

 

 さて、昨年11月17日前町長の官製談合及び収賄事件により、町政への信頼は失われてしまいました。

 現在、事件の行方は司法の手へと委ねられています。しかし、いつまでも町政を停滞させる訳にはいきません。

 町は徹底した事件の再発防止策を講じるために、町議会からのご意見を踏まえ、事件が起きた原因究明と再発防止策を検討して来ました。今臨時議会では、これまでの検証に加えて再発防止策を調査研究する有識者による第三者委員会を設置すべく、条例制定案を提出させて頂きました。

 

 今、富士川町は変わらなければなりません。失われた政治への信頼を取り戻すために、透明性のある行政運営改革を進めて行く所存です。

 

 次に私の町政に対する姿勢の一端を述べさせていただきます。

 現在の地方自治体は、地方分権改革による地域経営の自由度は高まりましたが、それと同時に、その自主性と連動した責任はさらに重いものになっています。また、全国的に見ても地方自治体の財政は依然厳しい傾向にあり、地域経営の方向を決める町政において、責任ある重要な決断が今後も待ち受けているはずです。

 私は、町の最上位計画である富士川町総合計画を町の方向性を示す羅針盤と位置づけ、それに沿った町政運営を行っていきます。また時として、町の方向性を左右する重要な意思決定に直面した時、町民に対して透明性を持った情報公開とともに討論型世論調査などの適切な手法を駆使し、その結果を加味した民意に基づいた決断をして行きたいと考えています。

 当然、町の意思決定の場において、議会の議決は欠かせません。

 町民の多様な声を反映すべく議員間討議を通じて意思決定する議会こそが住民自治の根幹であり、民意の集約されたフォーラムであると認識しております。

 合議制の議会と独任制の執行部が善政競争を繰り広げ、知恵を出し合い、ともに新しい未来の富士川町を創り上げていく力となるべく、切磋琢磨して行きたいと考えております。

 

 次に、中学校の統廃合問題です。

 人口減少が進む中、将来的に町内の中学校の生徒数は減少し、現在の規模を維持できなくなるために中学校の統合が議論されて来ました。

 統合により子どもたちの教育環境を最善なものにして行きたいという考えは理解できます。

 しかし、現在、中学校統合について、様々な禍根を残す状況となっていると承知しています。

 統合議論の過程の中で、保護者への説明の機会は一度だけだったと聞いています。まさに対話不足だったという認識です。

 教育委員会、有識者の方々および町当局が長い時間をかけて議論を進めてきたとの説明は受けましたが、一番肝心である子どもたちと保護者との意思の確認がなされておらず、現場の声の反映という大事な部分が抜け落ちていたのではないでしょうか。

 令和5年の開校に向けての準備は着々と進んでいることは承知しておりますが、ここで一度立ち止まり、子どもたちの声、保護者の声、現場の声を丁寧に確認してから、統合の在り方について再度検討をし直すことと決意致しました。

 

 次に今後の軸となる政策の一端を述べさせていただきます。

 私の公約として5つの柱を示させて頂きました。

 1つ目の柱は「暮らしを守る」です。

 町長就任後、最初に着手したのが新型コロナウイルス感染症の第6波への対策です。

 オミクロン株による感染症がこれまでにないスピードで増えており、富士川町内にも感染の危機が拡大しつつあります。

 この窮地に際し、新型コロナウイルス感染症に立ち向かっている医療従事者の皆様をはじめ、それぞれの立場や部署において、献身的なご努力を続けて頂いている皆様に対して深い敬意とともに心からの感謝の意を表します。

 同時に、感染防止対策の徹底など、これまでもご協力くださっております全ての町民の皆様の健康と生命を最大限守るのが町の使命であります。

 そのため、新型コロナウイルス関連の情報の集積し、迅速性や機動性を確保しながら県CDCと連動した専門的知見や最新情報を踏まえた判断を行う部署として、新型コロナウイルス感染症対策室を明日2月1日より設置することといたしました。

 効果的なワクチン接種の実施、ならびに感染発生状況などを分析することにより、スピード感を持った感染症対策を構築する体制を整えます。またアフターコロナにおける町民のワンストップ相談窓口としての役割も想定しております。

 

 次に地域医療政策です。

 わが町は、峡南医療センターを中心とした医療体制が構築されていますが、依然として医師の偏在による医師不足や医療提供体制の脆弱さは解消しきれていない状態です。

 一方、町内での開業医の皆様はそれぞれの立場から全力で地域医療を担っていただいているところですが、二次医療である峡南医療センターとの連携が完全には行われていない状況です。

 開業医の皆様と峡南医療センターを更に緊密に繋ぐことにより、より効率的な医療体制を確立できると考えます。一次医療と二次医療が連携するメディカルタウン構想を推進して、開業医の町内進出を後押しし、医師偏在の解消を図ると同時に、更に安心な医療提供体制を構築して行きたいと考えます。

 次に高齢者福祉の充実です。

 日本の高齢者人口がピークに近づく2040年には、山梨県の高齢化率は全国4位の41.4%になるというデータがあり、富士川町の高齢化率も全国で上位となる可能性があります。

 高齢者福祉を充実させるためには、単に行政が箱物を作るということではなく、民間や福祉団体との連携をすることによりその受け皿を確保していきたいと考えます。また高速通信網などの整備を推し進めることにより、デジタル技術を活用し在宅での医療提供体制を確立するなど、安心できる見守り体制を構築できるようなしくみを議論して行きます。

 

 

 次に災害に強いまちづくりです。

 県の国土強靭化地域計画を見据え、河川の浚渫など、周辺自治体と連携した防災減災計画を策定して行きます。

 また地域での人のつながりやコミュニティを向上するとともに、各区が防災や避難計画などを適切に活動できる環境整備を進めて行きます。

 

 次に町民の利便性を向上させる取り組みです。

 地域にある商店が姿を消す中、買い物難民という言葉がクローズアップされています。

 地域内公共交通のあり方を再検討すると同時に、様々な施策を検討し、買い物難民の解消に努力して行きます。

 また、ローカル5Gなどの高速通信網を整備し、自動運転の実証実験などの最新技術のテストベットとしての可能性を探って行きます。

 

 二つ目の柱として「人を育む」政策です。

 人づくりはまちづくりの根幹をなすものであります。財源の確保というハードルを越えるため出来る限りのアイディアを持ち寄り、妊娠から出産まで、県内トップクラスの子育て支援を目指して行きたいと考えます。

 同時に、民間との連携を強化しながら子どもの貧困とヤングケアラーの負担を軽減する施策を打ち出して、すべての子どもたちの可能性を最大限発揮できる町にして行きたいと考えます。

 また、少人数学級の更なる充実を図り、地産地消の給食を段階的に導入して行きたいと考えています。

 加えて、町内にある峡南技術専門校や森林総合研究所内に設置される農林大学校の林業学科との連携などを更に強化し、県の教育機関との連携を図り、地域で働く人財育成及び起業家支援などに力を入れて行きます。

 

 3つ目の柱として、「持続可能な町を目指す」です。

 富士川町のまちづくりにSDGsの目標を反映させて行きます。

 2015年に国連サミットにおいて全会一致で採択されたSDGsの目標を達成すべく、17の目標の全てにおいて私たちの町も積極的に行動して行きたいと考えています。今後の町の各種計画の策定時にはSDGsの精神を反映させて行きます。

 

 次に、歴史を繋ぎ、文化芸術を育む取り組みです。

 私たちの富士川町は、かつて富士川舟運によって繁栄し、山梨県内の物流の拠点として栄えた歴史があります。

 信州往還と駿州往還の交わる地点に位置していた私たちの町は交通の要衝地となり、人々が行き交う甲斐の国の中心的役割を担っていました。

 この町に息づいている文化芸術は人々の交流によってもたらされ、伝承しながら輝きを増して来たものだと考えます。

 人との触れ合いが希薄となり、心のよりどころを失いつつある現代社会において,私たちの町の誇れる文化と芸術は、人と人とを結び付け,相互に理解し合うための共通の合言葉となります。町民が協働し,ともに生きるまちづくりの基盤となる文化、芸術といった地域資源をさらに磨きあげ、後世に繋いで行く取組みを積極的に進めます。

 

 4つ目の柱は「地域内の経済活性化」です。

 地域の活力を取り戻すためには交流人口の増加、いわゆる外貨獲得の仕掛けが必要です。

 中部横断道の山梨南部区間の全線開通を契機に、人、モノ、経済の流れが活性化して来ました。

 この流れを町内の隅々まで導くための具体的な施策を展開して行きたいと考えます。

 たとえば富士川町が舞台となったアニメと連動した地域起こしや、映画やドラマなどのロケ地を誘致するフィルムコミッションなどの取組みです。また、山岳を活用した観光やトレイルラン、マウンテンバイク、ロードバイクなどのスポーツ大会やイベントなどを誘致するために、民間の企業、団体と連携し取り組んでいきたいと考えます。

 富士川町の魅力を活かすためには、私たちが地域の資源の魅力を再認識し、価値を高めることが必要です。

 大柳川渓谷の秋の紅葉と吊橋、滝が織りなす美しさ、高下のダイヤモンド富士に代表される富士山のロケーションの数々、平林の美しい棚田と神秘的な神社仏閣、源氏山と鷹座巣に抱かれた雄大な森林資源、そこから湧き出る清らかな水、美しい夜空。これらは私たちの富士川町の宝であり、唯一無二の存在です。

 この宝の価値の潜在能力を存分に活かした地域振興にも取り組んで行きます。

 具体的には、農福連携、地域アクティビティの創設と山岳観光の振興、サテライトオフィスなどの誘致やワーケーション、二地域居住の推進などです。

 また、県が推進する先端技術の実証フィールドを積極的に提供して行きたいと考えます。

 

 五つ目の柱が「財政の健全化」です。

 現在の町の財政は、イエローカードの状態にはなっていないと伺っています。しかしながら、財政構造の硬直化の指標である令和2年度の実質公債費比率は県内町村でワーストの12.3%です。他の市町村が改善傾向にある中、富士川町は年々悪化しており、その動向を町民は注視しています。

 これに加え、これまで計画された7大事業と呼ばれる大型公共事業などは、5年後を目安に償還が始まり、将来的な町の財政への不安の声が囁かれるのも当然理解できます。

 その不安を取り除くための具体的な財源の提示や説明を丁寧にする責任が町にはあると私は考えます。まずは現状の財政状況をわかりやすく町民に改めて発信し、各種事業に対しての財源を示し、同時に将来に向けた財政の健全化策を推し進めて参ります。

 

 最後に、本日付けで退職される齋藤靖副町長におかれましては、町長不在の中、職務代理者として、一方ならぬご努力を重ねて来られました。ここに、そのご労苦に対しまして深甚なる敬意と感謝の意を表すると同時に、今後のご活躍をお祈りする次第であります。

 

 今臨時会に提出いたしました案件は、条例制定案件1件、補正予算案件1件、指定案件1件、契約締結案件2件、合わせて5件の議案を提出しております。

 提案理由は議案ごとに申し上げさせていただくこととしておりますが、よろしくご審議の上、ご議決あらんことをお願い申し上げ私からのあいさつといたします。

 

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